花房山
JR目黒駅の南東側の丘は花房山と呼ばれている。俗に言う城南五山の一つで、他の4つは東に向かって池田山、島津山、御殿山、八ツ山と続く。江戸時代の大名家下屋敷跡や幕府施設跡、街道筋の山だった4つに比べ、花房山は明治・大正期に外交官や「日本赤十字社」社長として活躍した花房義質子爵の邸宅があったことに由来することから時代に差があり、「城南五山」というのもデベロッパーのキャッチコピーであろうと言われている。
江戸時代は三日月藩森家上屋敷があったそうだが、人工的な掘割である山手線の線路を挟んだ向かいは夕陽山と呼ばれてたこともあり、やはり城南五山というコピーは眉唾ものである。
しかし高級住宅街であることは違いはない。駅前はタワーマンションが建っているが、その裏側には住宅が立ち並ぶ。現在、小金井の江戸東京たてもの園に移築されている前川國男邸があったのもこの辺り。現在でも同氏によって新築されたモダンな新邸が残っている。
(撮影 2020/1)