第52回 陶磁器の道
1、導入
長崎大学の野上健紀教授がクラウドファンディングで研究資金を募集しています。
学術系クラウドファンディングサイト「academist」で見つけました。
実学的な、国の補助金や民間の助成を受けやすいテーマではなく
このような研究こそクラウドファンディングでの資金調達向きですよね。
特に私の大好きな陶磁器が対象になっているので是非応援したい!
1000円からでも支援できるので、もっと広まってくれるといいですね。
2、海のシルクロード
と言えば、三上次男先生の岩波新書でしょう。
私も学生時代に読みました。
ユーラシアの東西を繋ぐ、中央アジアの陸路が「シルクロード」なら
海路は「陶磁器の道」。
宋の時代に焼かれた青磁や白磁の器、元や明の時代に焼かれた染付(青花)は西はエジプト、東は我が国にまで広く流通していました。
小さな破片となった陶磁器は時に砂浜に打ち上げられ、気づく者がいなければ石ころと変わりませんが
見る目を持った者が拾えば、時を超えて人々の交流の歴史の証人となります。
3、陶片を見るなら
普通、民間の美術館では完全な形で残っているモノ、骨董品として珍重されてきたモノにスポットライトが当てられているモノですが、
東京は千代田区丸の内、出光美術館にはその名も「陶片資料室」という異質な展示資料群があります。
手がけたのは陶磁器研究家の小山冨士夫氏。
世界中の窯跡から出土した陶磁器の資料が収集され、年中みることができます。
関東の大学に通っていたころは
年に一度は見に行っていたことを思い出しました。
小さな町の郷土資料館にもきっと山城や街場の遺跡から出土した陶磁器の破片が展示されていることでしょう。
うちの町なんか私が担当するときは2回に1回は陶磁器メインです。
破片でも魅力的なストーリーを描くことができることをもっと知ってもらうためにも日々精進していきますよ。
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