第115回 世界史ブームがやってくるか
1、絶対に忘れないは言い過ぎ
現役の公立高校の教師でありながらYouTuberとして世界史の授業を配信し続けるムンディ先生こと山崎圭一氏の
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』
を読みました。
話題になるのも納得の読みやすさで、ここでも紹介したくなったのでまとめてみます。
2、学生はもちろん大人が読むべき
まず最大の特徴は、主語を極力変えないこと。
従来の世界史の教科書は時代順が基本で、ある程度まで記述したら、急に別の地域に飛んだりしていました。
例えばローマ帝国の話が終わったら中国の古代王朝の話に、という感じです。
それに比べて西欧史ならギリシャ文明から百年戦争まで、中国史なら黄河文明から清王朝まで一気に読めます。
この方式でインドと中東も進むのですが、実は他の地域の前近代はざっくりカット。アフリカとか中南米、東南アジアは次回を期すとのこと。大胆な手法ですが、わかりやすさを追求した姿勢に感服です。
あとは文化史もバッサリ。絵画やら音楽やらやたらと人名が出てきて、暗記しなきゃいけないみたいになってしまいがちですが、歴史の本筋には登場しないので、煩雑さを避ける意味では正解だと思いました。徹底的に考えられていますね。
逆に本筋の理解に必要となる地図や図解は従来の教科書より多いのではないか、という感覚。
また、「なぜ」という部分が重視されている印象があります。本来は教科書では触れないで、教師が伝えるべき部分なのでしょうか。
従来の教科書の格調高い文章ではなく、平易な言葉遣いで受け入れやすいのも魅力だと思います。
3、歴史コンプレックスを持つ人が1人でも少なくなれば
そして、歴史嫌いになってしまう最大の要因「年号」。
こちらもあえて本文には入れず、流れをつかむことの重視。
まさに我が意を得たり。という感覚です。
私も学生時代から語呂合わせで年号を覚えることなんてしたことありませんし、
今でも、すぐにスマホで調べられることは覚える必要がない、というスタンスで生きています。
歴史はやはりストーリー。
この本を読んで歴史を魅力的に伝えられる人が増えればきっと社会は良くなると思います。
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