第82回中学生、教員、文化財三方よしの妙案
1、部活動指導者の外注は文化部も
わが町の中学校にも郷土研究部なるものがあり、何度か文化財の見学案内をしたことがあります。
今に始まったことではありませんが中学校の部活動はどこかに所属することが強制で、運動部を避けると極端に選択肢が少なくなります。
だから本当に郷土の歴史が好きだから、という理由でその部活を選んだ訳ではないでしょうが、せっかくなので地元の歴史を知ってもらおうと精一杯伝えたつもりです。
また昨今では中学校の教員が土日の休みもなく部活動の指導にあたることが問題視されてきました。
外部講師に指導を依頼することで教員が本務に専念できることが望ましいという流れになって来ました。
これを是非郷土研究部にも適応しましょう。
郷土研究部の外部講師として、自治体にいる学芸員が支援をするというのはいかがでしょうか。
2、アマチュアが担った考古学
実は考古学は他の学問に比べてアマチュアの担ってきた部分が多くあります。
日本の旧石器時代の遺跡を始めて発見した相澤忠洋は行商しながら踏査を続けていましたし、
考古学の黎明期には学校の教員が長期休暇で発掘調査を実施し、学史に残る発見を度々しています。
高校生だって、中学生だって適切な指導があれば考古学研究をすることができます。
事実、日本考古学協会では近年高校生によるポスターセッションが行われています。
3、若者が持つ力
小学生には出前授業で町の歴史を伝えられるのに、中学生になると、文化財との交流がなくなるのが残念に思っていたので、すごくいい発想だと思いますがいかがでしょうか。
部活動は基本毎日活動ですが、本務を抱えている行政の文化財担当者が毎日指導することは難しいでしょう。
しかし、適切な課題を与えて、自主的に活動を進めてくれるようになれば週に一度か二度直接指導する程度でも面白いのではないでしょうか。
はるか昔に私が中学生だったころ、科学部に所属していましたが、担当の教員が部室を訪れたことは一年に数えるくらいでしたし。
我々文化財担当者も、若い発想から大いに学ぶことがあると思います。
出前授業で出向いた小学校での鋭い質問から新たな着想を得たことも度々あります。
折をみて上司に進言するとともに、あちこちで吹聴することで実現していきたいと思います。
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