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第98回 縄文人も炎天下で土器を焼いていたのか

1、夏の体験活動

毎年、近隣市町と合同で縄文土器作りをするのが恒例になってきました。

子ども向けの夏休み事業と、大人向け

の公民館講座。

一ヶ月ほど前に粘土の整形をして乾燥させ、

昨日野焼きをしてきました。

今の子ども達は焚き火自体が珍しく、いい体験になるのではないでしょうか。

といっても火の管理は我々がやるので土器が焼けるまでの間は、弓矢と火起こしの体験。

この時間稼ぎのアトラクションは毎年悩んで試行錯誤していますが、予想以上に熱中してくれて、飽きた様子もなく楽しんでくれていたようです。

土器の野焼きだけでなく、土器製塩も脇で行い、帰りに持って帰ってもらいました。

松島湾の天然海水から作ったミネラルたっぷりの塩です。

ただでさえ気温は暑いのに、火のそばに一日中いたので、今日は少しグロッキー気味です。

2、二つの方向性

夜の打ち上げでも話題になりましたが、体験活動には二つの方向性があると思います。

一つは子ども達にも優しく歴史に触れてもらうためにハードルを下げていく方向性。

例えば今回のような粘土から土器を整形して野焼きまですると、乾燥期間を開けて2回の講座を受講する必要があります。

小学生高学年くらいだと、ある程度の器用さは必要ですがそれなりに縄文土器の雰囲気がある作品を作ってくれますが、低学年の子はうまく出来ずに泣き出してしまったこともありました。

最近では、焼かなくても乾燥させただけで固まる素材もあり、大きな土器は作れないにしても、板状の土偶くらいであれば十分にできるそうです。

これであれば、半日の講座単発でも対応可能ですし、低学年の子でもそれなりに楽しめそうです。

ですが、簡単にしすぎると、縄文土器本来のあり方からは離れて行きます。

もう一つの方向性は、出来るだけ忠実な再現を目指す、というものです。

今は整形しやすく、入手も簡単な粘土をその都度購入しています。最近使っているのは滋賀県は信楽の粘土で、焼き上がりが縄文土器に近く見えます。

本来は遺跡の近くに粘土を採掘をしている場所があるはずなので、それを探すところから始める、というのが忠実な土器作りであるでしょう。

3、体制のあり方

また、今は我々自治体職員が完全にお膳立てして、事業を実施しています。

例えば大人向けの公民館講座としてやっている縄文土器作り体験は自主サークルが主導した取り組みにした方が本来はいいのではないでしょうか。

縄文土器が好きだとか、当時の製作技法を再現してみたいとか、そのような嗜好の人が集まって運営する。

もちろん場所の提供などは協力します。

むしろ講師然として受講生の前で偉そうに語っていますが、本当は土器を作った経験も圧倒的に少ないので、一緒にスキルアップをしていくような立ち位置が望ましいです。

一つの町では難しくても、今回の土器作りで協力したように、広域で組織するサークルだっていいはずですよね。

そんなことを思いながら受講生をけしかけているのですが、なかなかすぐには実現できなそうです。

各市町の担当者が集まってワイワイやっていると色んな知恵が集まって、面白そうな企画が浮かんできます。

そのうちわずかでも実現していきたいと思います。

#体験活動 #縄文土器 #広域連携 #自主サークル #公民館講座 #信楽


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