第120回 川底に眠る高級資材
1、燃料となるか工芸品となるか
埋れ木ってご存知ですか。
文字通り樹木が地中に埋もれて長い年月(川底のものは数百年から千年単位)を経て変化したもので、亜炭の一種だそうです。
炭化が進んで、石炭になってしまえば燃料になりますが、そこまでいかないものは、熱効率が悪いので彫刻や工芸品として利用されることが多いようです。
実はミヤギは仙台の広瀬川は、亜炭がよく採れ、かつては埋れ木細工が名産だった時代もあるようです。
2、文化財建造物も万事塞翁が馬
明治の頃、北上川で発見されたケヤキの大木が埋れ木になって発見されました。
それを買い取ったのは仙台の八木久兵衛という名士。
今でも動物園や遊園地がある仙台八木山に名を残している有名人です。
彼はこの埋もれ木を使って洒脱な別邸を建てました。
しかし、1937年に公共事業で土地が強制収容されることになり、松島は瑞巌寺へと移築されました。
お陰で仙台空襲で焼け落ちることなく、今も当時の雰囲気を残して佇んでいます。
3、限定公開は集客の切り札か
移転された建物は埋木書院と呼ばれるようになり、瑞巌寺本堂の裏手にあり、普段はあまり目にすることができません。
通常は拝観することができませんが、昨日イベントが開催され、特別公開があったようです。
大変好評で、すぐに定員に達していたようなので、今後も広く公開できるといいですね。
それにしても、埋れ木を使った建築は珍しいとは思いますが、全国でどれくらいあるのでしょう。
ぜひご存知の諸兄姉様がいらっしゃいましたらご教授ください。
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