第181回 政宗の次に話題が豊富な藩主綱村

1、職場にご恵送シリーズ 25

伊達綱村公300年遠諱記念 特別展『伊達綱村』

東北歴史博物館で平成30年10月6日から12月2日に開催されている展覧会の図録です。

今年は明治維新150年で盛り上がっていますが

仙台藩四代藩主綱村公の没後300年でもあります。

11月もなんだか予定がびっしりで、展覧会行けそうにもないので、図録を先にみてしまいました。

2、波乱万丈のお殿様

伊達綱村は仙台藩主の中でも特に話題の多い人物でもあります。

まずは父である三代藩主綱宗が隠居し、わずか2歳で藩主となったこと。

流石に藩の政治は後見人となった一門大名たちが行うのですが、綱村が13歳のころに世に言う「伊達騒動」が起こり、取り潰しの危機に陥ります。

しばらくは国目付という幕府の監視役が付き、ようやく17歳で初めて国元、ミヤギにやってきます。

彼の事業は多岐にわたりますが、大きく分けると①修史事業・②寺社の造営・③土木事業の三分野が挙げられます。

①では仙台藩の正史である『伊達治家記録』の編纂が代表的です。

②は塩竈神社への崇敬と塩釜の町を救った貞享特例、黄檗宗への帰依と大年寺の造営、父綱宗の菩提を弔うための燕沢善応寺、母三沢初子ゆかりの考勝寺、伊達家の初代朝宗の満勝寺などが挙げられ、今回の展示でもゆかりの品々が出品されています。

松島としては③として品井沼干拓に着手したことも特筆したいと思います。

しかし、このような新たな事業を実施したため、藩の財政は悪化し、家臣団とも対立する
ようになります。

最後は養嗣子である吉村に藩主の座を譲って隠居しすることになりました。

3、表紙のデザインにセンスが問われる

話題を列挙しただけでこれだけあるので、こおのnoteでも少しづつ紹介していければと思います。

ちなみに図録の表紙に塩竈図屏風(東園寺蔵)から抜き出した人物像が描かれているのが特徴的。

担当学芸員のセンスなのか、印刷屋さんのセンスなのか気になるところです。

ぜひ展覧会行かれた方は感想をお聞かせください。

あと、全くの余談ですが、仙台藩主は殿と呼ばれません。家臣の中で実質的に城を持っている層、片倉とか石川とか、茂庭とかが殿ですかね。強いて言えば、お屋形様でしょうか。

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