第78回幕末のインフルエンサー
1、日本人が最も怖れるもの
またTwitterからの着想で恐縮ですが(しかもツイート流れてしまって見つけられないので、引用もつけられません)
日本人はコミュニティからの排斥をもっとも怖れる。
というものがありました。
全く同意します。
親は子どもが従わなければ
このうちから出ていけー
と放逐しますし
学校で起こるイジメもグループからの排斥という形で顕在化しますよね。
欧米では「自由である」ことが価値なので、外に出さないことが罰則になるようです。
2、ルールが崩れるときは
それをみてふと思ったのは明治維新のことの脱藩浪士の事。
当時の社会は藩(ということばはなかったようですが)が今でいう国のイメージで、入国出国には手続きが必要です。
時代を動かす事件が起こっているからといって京都にはもちろん藩の命令がないと行けません。
他藩の高名な思想家に教えを受け、同じ志の他藩の活動家たちと交流するのも藩の方針に従う必要があります。
それを顧みず、自由に行動したのが脱藩浪士です。
吉田松陰や、高杉晋作、坂本龍馬などが挙げられます。
コミュニティへの帰属を失うことを怖れず、行動することが変革につながる、そういう時代だったのでしょう。
3、時はめぐりまたその季節が
翻って現代に目を向けると
これまた別のツイートですが
某広告代理店から人が続々と辞めている。皆独立して新しいことに挑戦している。
とありました。
ソースの信ぴょう性が低くて恐縮ですが
時代の雰囲気はよく出ているのではないでしょうか。
大企業での立身出世を投げ打って
自分の好きなこと、自分が世界に貢献できることを自由にできる環境に飛び込んでいくことが是とされる風潮が強まってきたように思います。
4、幕末明治のインフルエンサー
ちなみに私が戊辰戦争から明治維新のころの人物で最も好感を持っているのは勝海舟です。
幕臣である、という本来の枠組みには踏みとどまりつつも、
時代の本質を読み取り、江戸の無血開城という偉業に一役買いました。
口では偉そうなこと言っている割に、咸臨丸では船酔いで使い物にならなかったり、
べらんめい調でまくし立て、自分を切りに来た坂本龍馬を翻意させて味方にしたり(個人的なイメージが強く入っていますが)、
そんな人間臭いところが好感が持てます。
逸話の数々を見ると、いま世間でインフルエンサーと呼ばれるような人の言動と重なって見えるのは私だけでしょうか。
記憶違いや誤りも少なくありませんが、言っていることは本質を突いていて、なにより面白い。
コミュニティからの離脱で自由を得て時代を動かす人材と、自分の置かれた場所でやるべきことやる人材。
そんな視点で過去と現代を比較できるのも歴史を知る楽しみの1つであると思います。
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