第1512回 奈良の旅その1
1、文化財研修へ
奈良県に国立の文化財研究所があるのをご存知でしょうか。
都城調査、つまりは平城京の調査、研究、整備の推進を行う組織ですが、
その最先端の技術を広く普及させるため、全国の自治体職員に向け
研修事業も継続して行なっています。
今回私も、「文化財の三次元計測」を学んでこようと行ってきました。
その途中で、立ち寄ったところも含めてご紹介していきますね。
2、登城への途上
初日はミヤギを朝出て、昼過ぎに奈良に到着です。
東京まで東北新幹線で2時間、そこから京都まで東海道新幹線で2時間、近鉄で奈良まで1時間ですからね。
すこし時間があるのでどこかに寄ろうか、と思ってマップを見ていたら
「大和郡山」の文字が。
お城を見てみようと途中下車です。
4泊分で撮影機材も持っていますからキャリケースを駅でコインロッカーに入れようと思っていたら、なんと大きくて入らない。
標準サイズのケースくらいは入れる大きさで用意してほしいものです。
諦めてガラガラいわせながら城跡に。
築城は筒井順慶まで遡るそうですが、現在の姿になったのは豊臣秀長の時代。
そう、豊臣秀吉の弟さんです。
そういえば2026年のNHK大河ドラマの主役ですね。
本丸跡には城主であった柳沢吉保を祀る神社もありました。
五代将軍徳川綱吉の側用人として権勢を振るった方。
明治になって藩士たちが建立した、と言いますから慕われていたんですね。
天守台からの眺望はなかなかよき。
そして発掘調査で検出された遺構も表示されていました。
石垣の積み方はなかなかダイナミック
そして案外珍しくもなくなってきた石垣に組み込まれてしまった石仏も
現代の価値観で考えるとあえて旧時代の信仰を破壊する、という意思が介在しているように見られがちですが、
実は石材調達で単に近くにあったから、というくらいなのかと私は思います。
織田信長の安土城で話題になった時には、時代の変革者としての価値観を示すものとされがちですが、そうでもないでしょう。
松島の瑞巌寺の基礎からも旧時代の信仰に関わる石造物が数多く見つかっています。
本来は柳沢文庫という宝物館も見学したかったのですが、月曜日は休館。
3、商店街のノスタルジー
結局昼ごはんを食べ損ねていたことを思い出し、
駅前の商店街のお肉屋さんでハムカツとメンチカツを買い食いして後にしました。
お城があって、商店街があって、なんだかいい街ですね。
なんと奈良文化財研究所には大学院時代の先輩が勤めていて、
というか今回の研修のメイン講師がその先輩だったこともあり
お声がけして夕飯をご一緒しました。
昔から変わらないお人柄、そして外見も!
私ばかり老けているような気がしてきました。
それはさておき実は翌日も午後から研修だったので、午前中は史跡巡りをしたのですが、それは次回のnoteで。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。