第144回 歴史文化の普及のための組織づくり
1、旧藩時代は同じ仙台
昨日、岩手県は一関市花泉町からのお客様を案内しました。
その名も花泉町先人顕彰会という団体。
実は一関市の学芸員さんに学生時代から非常にお世話になっている先輩がいらっしゃるのでその紹介ということです。
総勢40名を超える方々に、松島の霊場「雄島」と瑞巌寺のご案内をしました。
一関は和算が盛んな土地でもあり、仙台藩の頭脳とも評される「大槻家」を輩出した土地でもあります。
歴史文化や教養に関心の高い人が多い土地柄かもしれません。
2、歴史を学ぶには仲間が多い方がいい
案内については、いつもの場所なのでソツなくこなせたと思いますが、その団体が素晴らしいので紹介したいと思います。
会の目的はその名の通り、先人たちの顕彰活動を通じ、人材の育成に資するとともに地域の活性化と連帯感を培うこと。
会員名簿を見ると現在167名が登録されています。
一関市全体では11万人の人口がいますが、会は合併前の旧花泉町中心の団体ですので、実際は1万5千人規模の自治体でこれだけの人か趣旨に賛同して加盟していることが驚きです。
わが町とほぼ同規模ですが、とても真似できません。
頂いた29年度の会誌「先人はないずみ
」は第28集となっていますので、それだけの年月、不断の努力があったということがわかります。
29年度の事業報告を見ると5月に会の総会、9月に地域の歴史探訪会、11月と1月に講演会と精力的に活動されていることがわかります。
実際にお話を聞いてみると、会員の高齢化を嘆いておられましたが、組織化と継続的な事業実施を行なっていることだけで敬服させられていまします。
3、道はまだまだ先が長い
わが町でも公民館講座を継続的に実施しています。
最初は町内の史跡をめぐるだけだったのですが、続いて歴史的に関連の深い町外の史跡を視察するコースと、土器作りや出土遺物整理、古文書整理の実際を体験する実践コースを設けて受講生を増やしてきました。
また定期的に外部講師を招いた講演会を行なうことで町外からも歴史ファンを呼ぶことで交流や活性化を図ってきました。
始めてからもう七年くらいになりますが、ようやく固定客というか常連さんとの人間関係が構築されてきた感はありますが、
例えば新たな団体、サークルのような組織を作って自主的に運営をしてもらうまでの道のりはすごく遠く感じます。
隣県とはいえ、近くにいいモデルケースがあることを知ったので町の人たちに声をかけて少しずつ動かしていければと決意を新たにしました。