第77回大人の修学旅行
1、宮城と会津の繋がり
宮城県の小学生は6年生で福島県会津若松市に修学旅行に行きます。
私のときもそうでしたし、現在、わが町の小学生も同様のようです。
会津は戊辰戦争で一方の主役となり、壮絶な戦いを繰り広げます。幼少期からの教育と、白虎隊の悲劇で話題を誘い、教育旅行に力を入れてきました。
また地元の方にもあまり知られていませんが、広く会津地方で見ると、東北考古学史上で名高い会津大塚山古墳や、中世前期で大規模な堀と土塁を持つ新宮城、中世寺院恵日寺と徳一など他の時代でも注目すべき歴史が豊富にあります。
古くから会津は日本海側と太平洋側の文化が交差する、交通の要衝でした。もともと会津の地名は日本書紀に由来し、諸国を平定する将軍(四道将軍)のうち、北陸道からきた将軍と東海道からきたしょうぐんが出会った地というところから来ているとされています。
2、「修学旅行再び」を売る
私は家内が会津出身ということもあり、何度も訪れているため、かなり馴染みがありますが、
卒業旅行以来に行ってきた。
という声を少なからず聞きました。
しかも、昔のことで全然覚えてなかったけど、大人になってまた訪れると良さがわかるね。
という肯定的な声が多いように感じます。
そこでふと思いつきました。
宮城における会津若松のように、定番の修学旅行先となっているところは少なくないのではないでしょうか。
わが町も他県からの修学旅行生を多数見かけます。
修学旅行再び。あの頃気付かなかった魅力を見つける旅。
みたいなキャッチフレーズで旅行商品を売れば、売れるんじゃないかと。
もうすでに民間の会社ではやられていますかね。
3、魅力ある物語に必要なもの
ただし、注意しなくてはいけないのは、ノスタルジーに駆られて再訪した街が思いの外魅力のない街になっていたらそのイメージダウンは何倍もに膨れ上がるでしょう。
会津若松では、白虎隊にちなんで?白虎刀という模造の木刀がお土産の定番になっていました。
20年以上経っていてもそんな形態で商いをしていたらがっかりですが
会津若松城は往時の姿に近づけるために赤瓦に吹き替えを行いました。
大正時代を思わせるようなレトロな街並みを取り戻した七日町(なぬかまち)は訪れるたびに新たな発見があります。
このように新たな取り組みを進めているので、「修学旅行再び」を売ってもがっかりさせないことになります。
宣伝広告を打ってお客を呼び込むことよりも、地域の魅力に磨きをかけて、訪れた方に満足してもらって、SNSで拡散してもらった方が効果的かもしれません。
海外インバウンド向けだけでなく、近県の方へも届くような情報発信を行っていきたいと思います。
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