第171回 季節外れに先の戦争を想う
1、今時の学芸会は
小学校では学芸会の季節です。
先日はうちの娘が通う小学校でも学芸会があり、我が子の成長に目を細めていました。
また、とある学年はかさ地蔵の演目に、いま流行しているUSAダンスが挿入されていて驚かされたりしました。
職業柄となりの小学校での様子も聴こえてきます。
そこでは6年生がはだしのゲンを演じるそうです。
2、共通体験と教養としてのマンガ
はだしのゲンは昭和48年から週間少年ジャンプで連載された漫画です。
原爆を受けた人の描写が生々しく、ときに残酷すぎて教育現場から撤去すべきだという議論を生むほどでした。
問題となる画像(ショッキングなものを含む)
しかし作品には著者の壮絶な実体験が元になっており、戦争の悲惨さを広く伝えるという強い想いが込められていることは間違いありません。
子ども時代に読んでトラウマになっている方もいらっしゃるかもしれません。
今は原爆資料館の展示すらリアルすぎて議論になる時代ですからね。
見たくないものから目をそらす、
臭いものには蓋をする。
そんな風潮が広まっているのかもしれません。
3、挑戦し考えること
このように取り上げること自体が議論を生むことが予想され、
きっと生徒たちにも強烈な体験として残っていくだろう題材に果敢に挑戦する、
教師の姿勢にはまず感服します。
子どもたちもその想いに共感して立派に演じているとのこと。
戦争が悲惨だからといって目を逸らすのでもなく、必要以上に恐れ考えることをやめるのでもなく、
自分の頭で考えるきっかけになってくれればと思います。
賛否両論はありますが、はだしのゲンは日本が誇るマンガ文化の代表であっていいのだと私は思います。