第15回アカハラハッシュタグに思う
1、導入
#AcadeMee_Too
が流行っている。
アカデミック・ハラスメントを受けた人々が自らの体験を告白するハッシュタグ。
ツイッターには研究を自由にさせてもらえなかったり、中には教授が勝手に学生の論文を盗用したりと俄かには信じがたいことがたくさん。
実名告発は今のところみられないので真偽のほどはわかりませんが衝撃でした。
2、大学時代の恩師
翻って思い返してみると私は恵まれてました。
学部時代の指導教官はエジプト考古学の研究者でした。学界とは距離を置いた一匹狼的な立ち位置だったこともあって、どこか達観したような印象でした。
当時は正直物足りなさを感じました。
エジプトを卒論のテーマにしたいという同期に対して、フランス語は読めるのか、と少し突き放す。
半分冗談でも「オレについてこい」「エジプトに連れていってやる」とならないのかと当時は不満でした。
夏休みも自分だけ海外に行ってしまう。
学生を連れて実習(発掘)を指導するのは助手や大学院生。
今思い返すと本気度を試し、現実の厳しさを思い知らせるためには仕方なかったのでしょう。
逆に私の専門志向に近い別大学の院に進学を勧めてくれました。
大人になった今なら先生の誠実さが身に染みて分かります。
3、大学院時代の恩師
進んだ先は大規模なプロジェクトで研究費も潤沢な新進気鋭の教授の下でした。
入ったばかりでも容赦なく次々役割を与えて経験を積ませてくれました。
そんな先生について来た先輩方も流石の人々ばかりで、10年以上経った今でも世話になりっぱなしです。
渦中にいたときは辛かったですが、今になってみると素晴らしい経験を積ませてもらって感謝しきりです。
4、結論
その他直接の指導教官以外にも個性的でお世話になった先生方はたくさんいましたが、告発したくなるようなひどい扱いを受けたこともなければ目撃したこともありません。
結局なにが言いたいかと言いますと
大学は悪いところではありませんので、一部の悪いところを拡大解釈して敬遠するのはもったいないですよ。
逆にひどい研究環境にある方には、他に居るべき場所がある、と言いたい。
ブラック企業もいじめの横行する学校も社会全体からみると本当に狭い世界。
自分が受け入れられるコミュニティはきっと見つかる。見つけられる素晴らしい時代になりましたよ、と伝えたい。
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