第33回学会の雰囲気を伝えること
1、導入
真夜中の補講 という配信がすごい。
昨日今日(平成30年5月26・27日)に開催されて歴史学研究会の会場の様子を生中継(音声)していました。
歴史学研究会とは2000人を超える会員を有する学術的な組織で、公式HPには誰でも参加できると記されていますが、外部の人間としてはかなりお堅い学会なのかと思い込んでいました。
東京女子大学の藤野裕子准教授は、学会の雰囲気を伝えるためツイキャスという手段を使って広く公開を図っていました。
流石に研究発表の会場ではなく、出版社の販売ブースや懇親会会場の紹介でしたが、
これは画期的なことだと思います。
2、日本考古学協会
実は上記の歴史学研究会の総会は日本考古学協会の総会と日程が重なることが多いので一度も参加したことがありません。
なのでそのイメージを重ねることしかできませんが、少し語って見たいと思います。
考古学協会の方は会員数4000人を超えるものですが、実は入会に一定の審査があります。
いくつか論文業績が必要なので大学院の修士課程を終えた程度の人が入会するイメージですかね。
もちろん研究発表を聞いたり、出版社や各地の同人誌(考古学関係の論文を載せる)の販売会には誰でも参加できます。
学生の頃は最先端の発表を聞きに行ったり、書店より安くなる専門書や他では手に入りづらいマニアックな同人誌を買いに行ったものです。
入会後は所属する地域の学会誌を販売をしたり、研究発表をしたこともありました。
研究発表は希望者が多すぎるため、一人15分程度しか話せませんし、意外にハードルが低く、専門誌に論文を載せるより気楽でした。
学生の頃なんかは専門家の世界を垣間見れるようでドキドキしてましたが
正直最近は交通費かけて行くモチベーションが下がってしまってだいぶご無沙汰してました。
なので考古学会で配信をしていない、とは言い切れませんが
Facebookやツイッターでも同業者と結構繋がっていても情報が流れていないのでそのような取り組みはなさそうです。
3、新たな挑戦が必要だ
どの学会でも会員の高齢化は深刻です。
会員数の減少は直接会費収入減につながりますし、
役員のなり手も少なくなってくることは致命的です。
活動自体が不活性化して魅力ある活動に見えなければさらに会員数は減って行くという負のスパライラルに陥ることでしょう。
そういった意味では、今回の藤野准教授の取り組みは一石を投じる活動と言えるのだと思います。
関心はあるけど敷居が高くて近寄り難い、という層に少しでも学会の雰囲気を伝えることができることでしょう。
考古学こそリアルな情報発信が必要だと考えます。
前にも書きましたが発掘調査そのものも配信すべきだし、研究発表の場もどんどん公開すべきでしょう。
まずは自分のところの学会から改革していかなくては。