未来の薬局
そう遠くない未来の薬局について、考えてみた。
オンライン専門薬局と配達専門薬局
処方箋のデータは電子処方箋になる。レトロな紙の処方箋はアプリでオンライン専門薬局本部に送られる。
処方監査や重複投薬などのチェックはAIが行うかもしれない。
その後、割り振られた在宅勤務の薬剤師が、自宅からオンライン服薬指導をする。
患者と話したことすべてが記録される。ビッグデータはAIが分析し、薬歴となる。
フォローアップ、次回の聞き取り事項などはAIから提案される。
患者データが蓄積され、患者の特性をAIが分析し、最適な薬剤師が選ばれる。
疑義照会など処方医とのやり取りもマナー教育を十分に受けた人材(AI)が行うので、医師の機嫌を損ねることは少ない。
薬は患者宅の近くにある配達専門薬局が調剤し、配送する。処方箋の原本(紙)があれば配達した際に回収し、本部へ送る。
患者との基本的なやり取りは、本部にてオンラインで対応する。配達専門薬局の薬剤師は調剤のみ行う。
医薬品卸が薬局化
医薬品卸が調剤、配達業務を担う。自動ピッキング、撮影、AI監査、患者宅に配達する。不在の場合は温度管理された宅配ボックスに配達して完了。
薬局、医療機関への「分割販売」はすでに行われている。
医薬品卸(医薬品販売業)が薬局開設許可も併せ持てば、処方箋を受け取れ、調剤できる。薬局を経由せず、直接患者さんに持っていける。
医薬品を薬局に安売りせずに済むので医薬品卸の経営も改善される。
会員制薬局
会員制にすることでVIP感、高級感、特別感などを好む層をターゲットにした薬局。
・高い機能(技能ではない)、資質を持った薬剤師に24時間なんでも相談でき、アドバイスをもらえ、いざとなったら来てくれる。
・近くの評判のいい医師を紹介してくれる
・訪問看護師、ケアマネージャーの紹介
などの特典をつける。
実のところ、上記の特典は現在「かかりつけ薬剤師」により実際に提供されているが、残念なことにその頑張りは多くの国民の知るところではない。
薬局内に「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」のポスターが貼ってあるが、必要とされる人に、その良さが伝わりきっていない。
会員制薬局には会員資格審査や利用規約があり、その価値がわかる人、その価値を必要とする人だけが来る。
薬剤師は
疑義照会も服薬指導もやりたくない。かかりつけ薬剤師なんて絶対に嫌、調剤だけやっていたい、という薬剤師は配達専門薬局で調剤だけやれて幸せ。
人とのコミュニケーションが得意で、服薬指導が大好きだけれども、周りの目(回転率)を気にしている薬剤師や、
フルタイムで働けないことに引け目を感じている薬剤師は、在宅で思う存分、服薬指導だけやれて幸せ。
本当はかかりつけ薬剤師として活躍したいのに、日々の業務に追われて一歩を踏み出せない薬剤師や、
現在かかりつけ薬剤師の業務にやりがいを感じて奮闘している薬剤師は、その価値を理解してもらえる人に自分の価値を提供できて幸せ。
医師、歯科医師、訪問看護師、ケアマネージャー、退院前の病院の薬剤師、地域の方などと連携して一人の患者さんの人生をサポートしたい薬剤師は、その仕事に集中できて幸せ。
今、来る患者さんすべてを拒まず、自分のやりたいこともやれているスーパー薬剤師は、ほんの一握り。
薬剤師は、やりたいことだけをやればいい。
薬剤師はやりたい仕事を選ぶ時代がすぐそこに来ている。