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U-NEXTにはセンス抜群のオタクがいる。
まぁいわゆる「内輪ネタ」の話なんですけど。
ある時、Netflixに「気骨がある」というカテゴリがあるのに気づきまして、中身をチェックしてみると、なんとまぁ男臭いサムネイルが並びますことよ。まるで運動部の部室のように、むせ返る汗と暴力の香り。一時期は『HiGH&LOW』と『クローズZERO』シリーズがこの棚を占拠していたこともあり、これらに同じバイブスをネトフリくんが感じていたことが伺えます。
それにしても、作品を語る際に「気骨がある」なんて言葉を持ち込むとは、センスが凄い。これ、他国のUIではどのような言葉でまとめられているのか気になるところだけれど、なんにせよ「気骨がある」の言葉のパワーがすごい。一体何をもって「気骨がある」と判断しているのだろう。まさか、ネットフリックス・ジャパンには気骨判定員なるポストがあるのではないだろうか。「うん、なるほど、主演:本宮泰風……。血と硝煙と仁義……。気骨で」みたいな。
このワードが気に入ってしまい、以来仲間内のLINEやスペースなどで誰かが格好いいこと、勇ましいことを言うたびに「気骨だ」「それは気骨があるね」と返すのが定番になっていて、それでゲラゲラ笑っているわけです。こういうナードが一番気骨がないと思います。
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Netflixの気骨くくりもそうなんですけど、より味わいがあるのがU-NEXTの概要欄。国内最大数の配信作品数を誇り、時にニッチなアニメや特撮なんかもしれっと揃っているナードの強い味方なのですが、各作品の概要欄は“見た人が書いてる”と評判になるほど独自性に溢れており、例えば名作アニメ『スクライド』については簡潔かつ的確すぎる11文字が度肝を抜きました。
以来、U-NEXTの概要欄は必ずチェックするようにしています。正直、メジャーな作品になればなるほど、無難度は高くなる。誰々が主演だとか、その年一番のヒット作、といった宣伝文句で埋もれてしまう。なので、マスではない作品を掘っていくと、U-NEXTくんの隠しきれない「個性」が浮き彫りになってゆくのです。
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こちら、現在はすでに差し替えられているのですが、強烈なものを二作。『レッツゴー仮面ライダー』を“仮面ライダー版『バック・トゥ・ザ・フューチャー』”とまとめるセンスの、わかるけどぉ……という塩梅が実に見事。極めつけは『平成対昭和 仮面ライダー大戦』のいざこざを“イデオロギー対立”と一刀両断。身も蓋もない乱暴な表現が、なぜかこの映画を如実に表しているような気もする、芸術点の高いセンテンスになっております。
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個人的なお気に入りが、手塚昌明監督が手掛けるミレニアム版メカゴジラ二部作。『ゴジラ×メカゴジラ』に添えられた、なんとも言えないこのワード。『アベンジャーズ』の日本版キャッチコピー“日本よ、これが映画だ。”が元ネタなのは一目瞭然ですが、あちらが日本という国家に投げかけているのに対し、こちらは『パシフィック・リム』という作品単体に宣戦布告するという、スケールの小ささ。公開年としては11年後輩にあたるパシリム相手に言葉を強めているところも味わい深い。あと、作品紹介ページの“メカゴジラの遠隔操縦という設定を忘れてしまうほど、クライマックスは燃えに燃える!”は、担当者の困った顔が浮かびます。
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そして今なお「概要欄王」の座を譲らないのがコチラ。3式機龍を“白銀の城”と表現するセンス、何……??機龍のガチ恋オタクが書いたとしか思えないメロメロで美しい表現に、初めて読んだ瞬間にノックアウトされました。おかげで先日、超合金の機龍を中古ショップで見かけた際に自然と「白銀の城だ」と呟いて周囲を困惑させてしまいました。中島みゆきの楽曲かと思うじゃん。あと何気に説明欄の“1961年の「モスラ」からつながる物語は、古くからの東宝怪獣映画ファンにはうれしい。”も、隠しきれないオタクポイントが滲み出ていて最高です。
というわけで、U-NEXTを抜けられない理由の一つ、概要欄の面白さのご紹介でした。私は一銭もいただいておりません。ちなみに最近のヒット作は、カバー画像にも挙げた『水戸黄門漫遊記 怪力類人猿』です。“南蛮渡来怪獣ゴリラ事件”って凄くないですか。っていうかこの映画を作った人、情緒どうなってたんでしょうね。水戸黄門VSゴリラ怪獣て。ヤバすぎ。
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