令和のアケマスを一足先に遊んできたぜ。
ドーモ、伝書鳩Pだ。Long time no see! How have you been?(お久しぶりですね。お元気でしたか?)
日夜アイドルのプロデュースに勤しんでいる同僚各位には釈迦に説法だが、アイマスとはアーケードゲームがその出発点のタイトルだ。故に、アーケードのアイマスに触れずしてプロデューサーを名乗ることに後ろめたさを感じていたニュービーも多くいたと思う。おれもその一人だったが、今日からは違う。なぜなら、アケマス童貞を卒業したからだ。
ファーストロケテスト。なんと甘美な響きだろう。映画で言うのなら試写会だろうか、要は開発中のゲームを一足先に遊び、その感想やご意見をフィードバックするための催しに見事当選し、今回馳せ参じたわけだ。今回はその模様をお伝えしたい。
当選メールと本人確認書類を見せ受付を済ませると、三台が横並びに配置されている筐体がお目見えする。博多バスターミナルのアイマスショップにはいわゆる初代アケマスも稼働しているが、その向かい側に正式リリース前の筐体が鎮座する形だ。液晶の大きさも画面の解像度も数世代の進歩を遂げており、その二筐体を見比べるのは実に「エモ」を感じる。
今回プレイできたのは、一人用プレイを三回まで。正式リリース後の筐体はどうなるかわからないが、一人三回のライブをプレイできる、ということになる。なお、一回のプレイにつき4枚のカードを追加購入できるので、フルに遊べば1プレイで600円が飛ぶ計算になる。同僚各位は今のうちにアケマス貯金を貯めておくと良い。
ツアマスは全ブランドのアイドルが登場する越境ゲームだが、浅学ゆえこの伝書鳩Pは283プロ所属のアイドルしか知らず、初回はイルミネの三人でライブをすることになった。選べる楽曲は「THEIDOLM@STER」「なんどでも笑おう」の2曲。リリース後はもっと遊べる楽曲も増えるだろうから、その辺りは座して待とう。
ライブ前に、選んだ三人のうちのセンターアイドルとの会話シーンがあるが、この時点で驚いた。限られた機会でしか3Dのライブシーンが拝めないシャニ勢にとって、櫻木真乃ちゃんが高品質なモデリングでそこにいる、その質感がヤバい。まだボイスが収録されていなかったが、逆にこのモデリングから「むんっ」が聞こえてきたら、博多に死体が増えたので、逆に助かった。なお、上掲の写真はライブ前にプロデューサーとハイタッチをするシーンだ。タッチパネルを活かした、没入度が上がる演出なので、ライブに挑む彼女たちを満面の笑みで送り出そう。
ところで、今この文章を読んでいる同僚各位は、音ゲーは得意だろうか。もし「おれはアイドルちゃんのカワイイ顔とダンスが観たいだけなんだが??」という強者の方、あるいは「音ゲーには自信がなくってェ……」という方であれば、恥じることはない。最低難易度の「ルーキー」を選択してほしい。ライブに失敗して担当アイドルの顔が曇るのがどうしても見たい、という倒錯した欲望をお持ちの方だけが、最高難易度を選ぶ資格がある。
というのも、ツアマスの音ゲー要素は、かなり忙しい。左のスライダーと右のボタン。異なる二つの操作を要求されるため、遊んでいる内に頭がパンクしそうになるからだ。
アイドルがなぜか眼帯を強要されている、異常ライブシーンを捉えたこちらの写真を御覧いただきたい。画面中心を境に、左右に二つのレーンがあるのがおわかりいただけただろうか。左はスライダー、右はボタンで、右は降ってくるノーツに合わせてボタンを押すあるいは長押しで、このあたりは問題ないだろう。鬼門は左のスライダーで、降ってくるノーツは青は「下げる」、赤は「上げる」を意味するため、落ちてくるノーツに対して異なる方向にスライダーを動かす必要があり、かなり難しい。
スライダーは「次のノーツが降りてくるまでキープ」というチュートリアルがあるため、一度上げたレーンは下げるノーツしか来ない、その逆もしかり、というのはわかる。わかるのだが、いざやってみると全く手が追いつかない。右部のボタン操作との併用を要求されれば、操作はかなり複雑になる。
前述の通り、今回プレイできたのは3プレイ(3ライブ)だが、一回目と二回目は中間難易度の「ベテラン」を選んだものの、二回ともライブ失敗に終わったため最後のプレイで「ルーキー」を選び、アイドルの曇り顔を見なくて済んだわけだが、結果としてライブ中のゲームを一切廃し観覧とスクショに特化した「フリー」モードを遊び損ねるという失態を犯してしまった。
ライブに失敗すると、アイドルちゃんは「私が不甲斐ないせいで……」となってしまう。真乃には一切の非はなく、諸悪の根源は音ゲーに不慣れなこのポンコツプロデューサーなのだが、うちのアイドルは謙虚で真っ直ぐなので、どうしても落ち込んでしまう。故に、相当の自信がない場合は、ルーキーで楽々クリアを目指そう。今回のロケテストではコミュやトレーニングといった要素は体験できなかったが、ライブの失敗はそれらの要素にいい影響をもたらすことはないだろう。音ゲーとして楽しみたいという熱意がないのなら、ルーキー一択だ。
ライブ中はとにかく忙しないが、画面の向こうで歌って踊るアイドルたちは全身全霊だ。パフォーマンス中の動きの滑らかさやモデリングの良さに惚れ惚れするが、ライブ終了時の「汗」の演出がとにかく良かった。笑顔を振りまくアイドルの「生」の描写に、作り手の愛とこだわりを感じられたからだ。
故に、音ゲー苦手勢にはハードルの高いゲーム要素については思うところがたくさんあるが、アンケートに思いの丈を書き綴ったので、少しでも反映されたら嬉しい。ブランドの垣根を超えてアイドルたちがアーケードの舞台で活躍する、そんな素晴らしいお祭りの間口がとても狭いものだとしたら、それは実に勿体ないと思うからだ。一人でも多くのプロデューサーが、食らいつけるようなゲームであってほしい。一介のプロデューサーのお気持ちは、それだけだ。
正式稼働はまだまだ先だろうし、これからもブラッシュアップを重ねていくだろう。次に会えた時はどんなステージが待っているだろうか。我々にできるのは期待を膨らませることと、軍資金を貯めることくらいだ。担当に立派な衣装を着せライブを成功に導けるかは、プロデューサーにとっても他人事ではいられないからだ。
色々言ったけど、めちゃくちゃ楽しみだぜ、令和のアケマス。次はゲームセンターで会おう。さらばだ。
写真を撮ってくれた人
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