役目
生温かい羊水の中で眠り続けていた
薄汚いDNAで構築された血液が
べったりと身体中に張り付いて離れない
気が付けば羊水は破られ
私は潰れながら胎内から放り出されていた
胸くそ悪かった
泣くしなかった
新しく知る事などないと知っていた
全てはへその緒から流され続けた血液の中にあった
うんざりしていた
素知らぬふりで眠り続けていたら逃れられると思っていた
くそっ
また同じ事の繰り返しか
【お前がこの呪われたループを断ち切れ】
その役目から逃げられなかったようだ
泣くしかなかった
長い人生とやらの始まりだ
めでたくもねぇ
泣くしかなかった