好きな人
空を見上げない
目まぐるしく変わるものに興味が持てない
目がくらむ直射日光
様変わりする雲たち
濃いグレーからの稲妻
稀に見る虹
巨大な夕陽
いかにも神々しい光線
茜色からポツリと雨粒
夕闇の一番星
暗闇で静かに存在する月
空を見上げない
日々の変化を感じ物思いにふける事もない
例えば夕方
どしゃ降りの雨に打たれて嬉しげな学生達
何かしらのやましさをつかの間忘れて笑う
そんな彼らを見るのが好きだ
予報に振り回されない人がいい
台風を喜ぶ私が好きだ
例えばある朝
見飽きた日常を洗い流すように
降り注ぐ雨を見上げて通勤する
そんな社会人を見てみたい
傘を必要としない社会人
そんなあなたを見かけたい
そんなあなたを好きになる
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