偶然の父親
私の父は自死しました。
父は私を愛してくれました。
愛した後に父は私を捨てました。
面倒になったから
お金がかかるから
遊びたかったから
私は父を待ちました。
父は必ず私を迎えに来ると信じました。
後悔する父を許す覚悟も出来ていました。
私の父はあなた一人
私と父は繋がっている
あなたがどんな人であろうとも
私は死ぬまであなたの子である
父は帰らなかった。
私に助けを求る事もなく逝ってしまった。
電話一本でも良かった。
声を聞きたかった。
話しをしたかった。
もう一度
「私の子供だ」と満面の笑みと愛で抱いて欲しかった。
私は父を助けたかった。
成長のない身勝手な親を
自分の為に許したかった。
私の父は長い出張に出掛けました。
私の父は事故で亡くなりました。
私の父は脳梗塞で亡くなりました。
それらの嘘は私を追い詰めました。
自死は一番罪深く許されない死に方だと言われました。
本当にそうなのでしょうか?
誰がそう決めているのでしょう
宗教や人の言葉が更に私を追い詰めます。
点々と存在する全ての神々による言葉
それらを飲み込めば
私は父を慰める事すら出来なくなる
遺伝という螺旋は子を否応なしに縛り付ける
私は神に助けを求める事も出来ないのです。
どうしようもない父を
慰め愛し許して欲しい
私は神のいない空虚な宙に懇願します。
どうしようもない血で繋がった私を
慰め愛し許して欲しい
どうか
どうか