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夏休み

明けない梅雨と共に迎えた夏休み。

初めてのバイトをした。

課題が終わらなくて忙しさに追われた。課題の図書はどこにも売ってなくて、探した時間を無駄にするようにオンラインのブックオフでポチった。

コロナの影響で美術館には行けなかった。碌に遠出もできなかった。折角とった運転免許で行ったのは大半がバイト先だった。

つまらない。そう思った。

充実していない訳、ではない。だけど、好きな人と好きなところに行けなかった後悔が、インスタのストーリーに上がる友人の遠出の映像が、羨ましくて、それ以上に憎くて。

なんて自分は惨めで小さい人間なのだろうと思い知らされた。

旅行に行きたかった。カメラを持って好きな人を沢山撮りたかった。夜にあてもなく散歩に出たかった。夜中2時の公園で缶ジュース飲みながらあの人に、くだらないねって笑たかった。

私は一体この1ヶ月あまりでなにを得たのだろうか?

でもそんなことお構いなしに夏休みは終わる。無印の水ボトルに入っていたのは緑茶で、カフェで食べたアボカドは固かった。それでいいんだ。

もうすぐ夏休みは終わる。1番自由であった夏休みはコロナというたった1つのウイルスで1番不自由な夏休みになった。

3日後、私はつまらない最終日を過ごすだろう。それが私の8月31日。きっと特別な事なんて何も起きない。

あぁ、でも、31日綺麗な月を拝むことはできるのだろうか。

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