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FREE 『Fire & Water』

FREEの『Fire & Water』このアルバムに出逢ったのは20代の頃。
年上の知人から、70年代ロックが好きならこれは聴いたほうがいい、真剣に聴いてくれたらなぁ…なんて言われて、聴きます!!と
即答した。知人は洋楽に詳しく、雑誌Playerを創刊号からコレクションしていると自慢していた。
その知人がオススメしてくれるバンドならば間違いなくカッコいいのだろうと期待した。
そんな経緯で聴き始めたのだが、予想以上に私の心をがっちりと掴んだ。

まず驚いたのが、この渋さでバンドの平均年齢が二十歳ということ。
既に出来上がってしまっているような、何年も活動している円熟したバンドのようだ。
演奏はシンプルだが、耳に残るギターリフ。
全体的に重めでブルージーな音。
激しいというよりは静かに熱を帯びて迫ってくるような…形容し難いカッコ良さがある。
この音、ブリティッシュロックだよなぁ…と思いながら聴いていた。
アルバムジャケットもシンプルだがとても良い。まっすぐこちらを見据えるメンバー。
強い意思を感じる、印象に残るジャケットだ。

そしてポールロジャースのヴォーカルの表現力が凄まじい。恐ろしくソウルフルなのだ。アルバムから強い熱量を感じる。

彼らのライブアルバムがこれまた凄い!
ライブがカッコいいということは、本物の証だと思う。
演奏は荒削りでパーフェクトとは言い難いが、テクニック云々より、漂うエネルギーを感じ取ることができるのだ。それが良い。
世間で言われているように、確かに音数は少ないが、それはバンドの個性なのだと思う。
ライブならではのエネルギーが音の隙間を埋めてくれている。

どうすれば二十歳そこそこの若者が、こんな音楽を作ることができるのか?
才能と環境なのだろうか…。彼らの背景にとても興味が湧いた。

私はフリーを教えてくれた知人にいろいろと尋ねた。
知人からは、フリーは伝説的なバンドであり、ポールコゾフがいかに素晴らしいギタリストであったか、フリー解散後に結成したバックストリートクロウラーというバンドのこと、そして若くしてこの世を去ったということなど、詳しく教えてもらった。
そしてバックストリートクロウラーのアルバムをテープ📼に録って渡してくれたのだ。
ポールコゾフのことを偲んでバックストリートクロウラーの「New York, New York」を聴くと泣けてしまう…と話していた。ポールコゾフはニューヨークに向かう飛行機の中で亡くなったと聞いて、言葉に詰まってしまった。

それ以降、私は知人の話しを真剣に受け止めてフリーを聴くようになった。
この時代のミュージシャンとドラッグは切っても切れない関係だったのだろう。

もし自分がリアルタイムで聴いており、ポールコゾフの訃報を知った時に、どのように受け止めるのだろうか…。彼らが活動していた時代に思いを馳せ、改めてじっくりと聴いてみようと思う。

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