年上彼氏を侮るべからず。④
年上の彼氏とのなれそめのお話。③はこちら→③
「もし、もしよかったら、俺と付き合ってくれませんか?」
そう彼から伝えられた言葉に、私は心が高鳴った。と、同時にやっと言われた……!なんて感動さえしていた。さてここで何と言って返事をしようか。そんなことを考えていた僅かな時間に、彼はまた続けて話す。
「いや、分かってるんだよ、ほんと……、今日出会ったばっかで信頼なんて出来ないかもしれない、けど、本当に好きになっちゃったんだよ。これは本当で、信じられないと思うけれど……」
そう。彼とは今日が初めての対面で、会話で、告白で。出会って数時間で信頼関係が結べたか、なんて、殆どの人は首を横に振るだろう。でも。それでも私は彼に対して既に信頼をしていたのだ。私に対する気持ちへの誠実さ、一直線に伝えられている好意。初めて会って告白している自分へのちぐはぐさ。彼も自分自身の可笑しさに気付いている。それを私は、早く安心させてあげたかった。
「私でよければ、よろしくお願いします」
その答えを聞いた彼は目を見開いて、嘘、嘘……!本当に?と嬉しそうに私の手をより強く握った。出会ってまだ数時間も経ってないのに、本当に?と、彼の口から零れ出る言葉が愛おしくて。私は笑って頷いていた。私にとってこれが、初めての年上彼氏だった。
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出会ってから付き合うまでが3時間もない二人の、馴れ初めのお話。