大好きな人と暮らしている。 今まで生きてきた中で、確実に、一番愛している人だ。 たまらなく好きで、愛おしくて、毎日彼と迎える朝が幸せで。そんなひと時をこの先永遠に続かせていたい。ずっと、ずっと。 どうしても考えてしまう、ずっと先のこと。 5つ年上の彼がこの人生を全うして命の火が消えるとき、どうか私も一緒に連れていってほしい。 どちらかが先に空へ向かってしまったのなら、最後に一言「先に待ってるね」といって一旦お別れがしたい。 私のわがままを許してほしい。 大好きな
「犯罪と、タトゥー以外なら、何をしてもいいよ」 いつだったか母から言われた言葉だ。自分で言うのもなんだけれど、私はとても健全に生きている、と思う。体に悪いからタバコは吸わず、ピアスも自分の体に穴を開けると思うと気が引け、お酒も付き合い程度に呑むほどだ。(ただしお酒の失敗は少なからずある。) 健全、というよりも、保守的という言葉の方が合っているのかもしれない。興味はあるが、それに勝る恐怖があった。誰しも初めてに触れるのは少しの勇気がいる。リスクを背負うくらいなら、と辞める。
年上の彼氏とのなれそめのお話。③はこちら→③ 「もし、もしよかったら、俺と付き合ってくれませんか?」 そう彼から伝えられた言葉に、私は心が高鳴った。と、同時にやっと言われた……!なんて感動さえしていた。さてここで何と言って返事をしようか。そんなことを考えていた僅かな時間に、彼はまた続けて話す。 「いや、分かってるんだよ、ほんと……、今日出会ったばっかで信頼なんて出来ないかもしれない、けど、本当に好きになっちゃったんだよ。これは本当で、信じられないと思うけれど……」 そ
年上の彼氏とのなれそめのお話。②はこちら→② ふいに彼が手を目の前に出し、同じように手を出してみて?という。その行動に疑問はありながらも、素直に従う私。出した手を彼が優しく握る。 「綺麗な手。……こうやって素直に触ってくれるのも嬉しい」 そこからはほめ言葉のオンパレードで、マッチングアプリで本当にこんなにタイプの子がいるなんて思わなかった、とか、写真と違ったらどうしようかって不安だった、本当に可愛い。……など、普段褒められ慣れてない私は、こそばゆく思いながらも、彼の手を
年上の彼氏とのなれそめのお話。①はこちら→① 程よくお酒も回り、お互い敬語なしの会話にも慣れてきた。彼は自分の仕事の話や、趣味の話、共通して好きな映画の話を重ね、私も同じように彼へ話をした。 しっかりと私の話を聞いてくれる。話の腰を折らない。それだけでも嬉しいのに、その上で興味を持ってくれて、質問をしてくれる。私の話す話題を、楽しんで聞いてくれていた。そして、数杯目のジョッキを飲みながら、彼が言った。 「初対面でこんなに自分のこと話したのは初めて。聞き上手だから、何でも
年上の彼氏とのなれそめのお話。 私には5歳年上の彼氏がいる。彼との出会いはマッチングアプリで、初めて写真を見たとき私は、 「この人絶対いい人!」 という第一印象だった。満面の笑みで笑う彼と、遠くから撮られたであろう全身の写真。プロフィールには3枚ほど載っていて。そのうちの、アイコンである写真を見てそう思ったのである。 と同時に、予感がして。 「もしかしたら私は、この人と結婚するかもしれない」 まだ話すらする前の、ただ写真を見ただけの状態で。そんなことを思ったのであ
「人にはそれぞれタイミングがあって、それが全て一致しないと何をしても進まない。逆に、全部とんとん拍子に進んだら、タイミングが完璧だということ。そしてそれは、いいも悪いも、自分の経験として必要なことだということ」 母からの言葉は、私にいくつも思考の選択肢を増やした。これもその一つである。以前、結婚を視野に入れて付き合っていた人がいたが、彼と会話する度に衝突が起き、解決をしないまま日だけが過ぎていく。結局、どちらも意見を譲ることなく破局を迎えたが、そんなときを思い出しながら、今
私の中で、一番古い記憶といえば保育園の頃。お散歩で近くの公園へ歩いたり、園長先生と似ているサンタさんが来ていたり、好きな子2人にバレンタインデーの日チョコを渡せず、先生に協力してもらったり、下駄箱で一人母を待つ間、無音とは耳が痛くなることだと知ったり。当時見た夢だって覚えていて、その中でとある先生に意地悪されたからと現実でもその先生が苦手になったり。全く変なことばかり覚えている。そんな古い記憶の中でも、一番忘れられない言葉がある。それは、父からの言葉だ。 「お父さんとお母さ
今年の3月の話。私の大好きな祖母が亡くなった。 祖母は、カラオケに行くのが好きな人だった。自分用にカラオケの番号ノートを作っては、一人で近所のカラオケへ足を運び、数時間楽しむ。また別の日はお隣さんと行ってきた、と楽しそうに話す祖母が、とても好きだった。 祖母の作る料理は、どれも美味しかった。週末になると、必ず祖母の家へと向かい、事前にリクエストしたご飯を頬張る。トンカツや、ハンバーグ、茶わん蒸し。どれも大好きだった。そして、帰り際にこっそり手に握らせてくれる500円玉で、