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夢売り商人

2025.02.07.

知人、友人が生活している地域が豪雪らしい。
自分は知り合い達が大変な状況にいると気持ちが勝手にあわあわする性格である。何かできることはないかと思い、iPhoneを握って文章を打っている。
こういう時に自分の小心者加減と、無力さを思い知る。兎に角、雪への対処に気が病んでいる知人達が読んで少しでも気が緩んでくれたら幸いだ。勿論そうではない人も読んでくれたら幸いだ。


ここ最近、自分の日記を売ったらどうなるんだろうなとぼんやり考えていた。でもごく一般人の日記を売っても、買う人なんかいないし、値段をつける前提で書く日記なんてプレッシャーありすぎて、面白いもの書けるわけないとすぐ尻込みしてしまった。金が絡むと一気に力が入る。創作をする人間としても小心者である。

じゅくじゅくカブトムシの幼虫のようにベッドで蹲っていると、日記をつける前に、夢の記録をやっていたことを思い出した。睡眠の質が最高に悪かった時期、変な夢ばかり見ていた。それは面白さの打率が高かったのである。
その時、不健康にならないと自分は面白いものを生み出せないのかとそれはそれで絶望したのだが、素直に夢の内容が面白いと直接感想を伝えてくれた人もいて、少し嬉しかった。

自分が記録した夢なら、売って、面白くないと言われても、
「夢は簡単に操作できるものではありませんから。」と笑顔で返答することができるし、金儲け関係なく、単純に他人が人の夢を買っている光景が、星新一のショートショートみたいで面白いと思った。


そうと決まればまずは夢を見なければいけない。私は夢を見るためだという口実でめちゃくちゃ寝た。多分10時間くらい寝た。二度寝もした。


その結果、10時間寝たという事実と、頭痛を手に入れた。何となくこうなることは分かっていたが、結構凹んだ。10時間寝るくらいなら1時間の散歩とハローワークに行くこともできた。

これを毎日博打を打つように真剣に続けたら、自分はどうなってしまうのだろう。そんな好奇心と、ダメ人間になる末路への恐怖心が交錯する中、ベッドから自由に羽ばたく雀を見ていた。


果たして川合は夢を売ることができるのだろうか。その記録をつけるのも、何だか面白いのかもしれない。結末は、星新一のショートショートのような空気から少し離れたものであってほしいと願うのであった。これは一人の人間のドキュメンタリーであるのだから。

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