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六月の三分の一

日記にはなっていないような何か。

06-01
最近、線形代数の復習をしている。今期履修している講義はどれもこれまでやってきた内容がわかっていないと振り落とされる感じがある。

06-02
昨日に引き続きジョルダン標準形周りの復習。理解できる部分が少しでも増えると明らかに視界が開ける感がある。嬉しい。

06-03
宝くじで百万円が当たる夢を見た。コンビニで振り込みの手続きができるらしく、それをしていたら店員に「これで人生変えてくださいね」と言われ驚いた。大金が手に入るというのに人生が変わるという直感がその自分にはなかったから。

06-04
自分が「難しい」と思っていることが本当に難しそうだとどこか安心する。

06-05
歌会での評は難しい。話せることが少しずつ増えてきたことの弊害のようにまとまりがなくなりがちである。話すことや表現の技術(?)がついてきていないと思う。しばらくは言いたい内容を絞って話すことを意識しようと思う。

06-11
数週間前から放置していた数学の本を開いた。また開くことができたという点に大きな進歩がある。

06-19
短歌の話を聞く。写実的な短歌の利点を考えた。
チベット料理を食べに行った。かなり良かった。
短歌の世界って有名な人がかなり近くにいるのがものすごく直観に反している。ほんの少しでもそのようなつながりを感じられることが嬉しいと思う。

06-23
歌会。テーマにどれだけ寄りかかることができるのか。テーマ詠と連作は似ているかもしれないという話。
短歌研究を少しだけ読んだ。

背表紙が長い絵になるコミックスの三巻からは面白いから
遠泳のような余裕をたずさえてポカリのようなもの買いに行く
駐車場からフードコートが見えるから向こうも午後の明るさだろう
銀杏並木が風を通してゆくゆくはここに団地が建つのだろうね

/工藤吹「コミカル」(四首すべて)

06-24
小竹向原歌会。歌意のブレについて考える。良いブレと悪いブレの境目はどこ。

06-25
夢。大学のエレベーターに乗り一番上の階のボタンを押したら、エレベーターは屋上よりも高く上がっていって、ドアを開けたままジェットコースターのように縦横無尽に動き出した。怖いけど楽しい。落ちそうだけど落ちないだろうという無根拠だが絶対的な安心感があった気がする。

06-28
郵便局に行って書類を送る。郵便って思っているよりも安価。手紙を誰かに書いて送る、ということをしてみたくなった。
『たんぽるぽる』を読んでいる。

春雷は魂が売れてゆく音額を窓におしあてて聞く /雪舟えま『たんぽるぽる』
体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ /穂村弘『シンジケート』

似てる。

脂っぽいあたま抱けば一瞬の住所を銀河にもつ心地する /雪舟えま『たんぽるぽる』
瞳孔が住所のように遠くから届く日付を覚えておいて /永井亘『空間における殺人の再現』

似てる?

06-30
東京都現代美術館『翻訳できないわたしの言葉』に行った。それぞれの言葉が、それぞれの人々がどこまでも逃れられない順序関係で結ばれている感覚。
電車で『たんぽるぽる』の続きを読む。

玄関の鉢に五匹のめだかいてひろい範囲がゆるされている

/雪舟えま『たんぽるぽる』

「めだかが”持っている”領域」と「めだかが動くことが”ゆるされた”領域」。春に国立工芸館で、生野祥雲斎の《虎圏》という作品を見た時にも同じことを考えたのを思い出した。



月の真ん中は何してたんだろ。

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