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歯磨きをしているとき、またはしていないときに読んだ短歌について、良いと思ったものをいくらか引き、一言くらい話したい。 『風の正体』 Øz それぞれの歌が全体として立ち上げる立体感を確かに感じられるのが良い。 『凛』 芒川良 真意は見えなくても、近くにいる感覚がある気がする。 いつのまにか冬が来るんだろうなと思った。
私たちの生活において他者からは見えない部分はどれくらいあるだろうか。それなりにあるような気もするが意外と少ない気もする。家の中にいたとしても私たちはSNSでその日にあったことを公開することがあるし、時には日記にしたり、短歌にしたりするということさえあるだろう。そんな日々の暮らしは、まるで自分がすりガラスにだけ囲まれているようなものである。中が見えるような見えないような、中の人のシルエットで動きはわかるような、でもはっきりしないような。 掲出歌では、そんな暮らしの中、「裸で
裾の長いコートを着る8℃の空気は肌によく吸着する 警官のように車の往来を見てる 交差点 警官もいる 嗅覚を相対的だと感じたら沸騰しそうな水、さわがしい 十二時間ずれた時計で生きている 球体は球の内部も含む (投稿を消してもしばらく表示はされるって心配してたきみ)包み焼き 進化した紙飛行機についている尾翼 莫大な微分係数を得る 命日が誕生日と同じならいい 尾を呑む蛇と犬と私と 海面には高低がないと気づく時、体内で何かがうねる? いいね マグネシウムリボンが燃える
日記にはなっていないような何か。 06-01 最近、線形代数の復習をしている。今期履修している講義はどれもこれまでやってきた内容がわかっていないと振り落とされる感じがある。 06-02 昨日に引き続きジョルダン標準形周りの復習。理解できる部分が少しでも増えると明らかに視界が開ける感がある。嬉しい。 06-03 宝くじで百万円が当たる夢を見た。コンビニで振り込みの手続きができるらしく、それをしていたら店員に「これで人生変えてくださいね」と言われ驚いた。大金が手に入るという
(砂浜から星を選る時の手つきで)愛はおそらくトローチ型だ 噛まないでゆっくり溶かす ほどほどで温度を保つ さすがに冗談 2回だけ 20 時からのFMをノートにおこした あいつも好きだったから どこにも不自然さのない顔でカーネル・サンダースの手を握る 一月某日にはミルクティーを飲む 花は少なくても花曇り? 生存の意味論 昨夜のニンニクが君の指先から香ること 誓っても誓っても日々、芯のない白菜はバラバラになるだけ 街灯が太陽よりも明るくなるその一瞬に凛々しさがある
僕の手が銀製だったら何よりも君の温度にすぐ触れられる エスニックな香りの空気の玉ふたつもふんもふんとかきわけるあさ 「駅員が帽子を斜めにかぶるとさ、急に悪い人に見え出すの」 「宝石にも不純物は必要なのよ」 きみの瞳は少しだけ赤い ブランコが電車のベルのように軋む 滑る座板を下から眺める 蜘蛛の巣のような地下から這い出れば青いセロハン纏う太陽 月の凹凸を”うさぎ”と理解する人が正しく夜を描けない 「戀」の字に恋の空気を感じない今の私は變だよ 変だ 雲のない空か
「あっっっっっっついね」 君が左腕を庇がわりに掲げながら搾り出すように言う。私はコクコクと無言で頷く。ただ歩いているだけでも汗が噴き出すのに会話を始めでもしたら倒れてしまうんじゃないか、と思ったが酷暑への恨みつらみを晴らそうとつい言葉が出た。 「今年の夏が今までで1番暑いね、日に当たると肌が焼ける感覚がわかる気がするよ」 君も無言で頷いた。頷くだけで無言なのはきっと私と同じことを考えていたからだ。 ふと周囲に意識を向けると蝉の声が大きく聞こえる。「去年はこんなに鳴いていなかっ
もし雲が綿のようではなかったとしてもあなたはたんぽぽを吹く ホームではいつも誰かが蹲る 鈍い牛乳みたいなかおり 柔らかいモスキート音 手を繋ぐ、ここからも柔らかい逃避行 都会向け動物が欲しい 例として三人乗りのヒトコブラクダ 「サトウキビを食べた時しか感じない気持ちがあるの」 「一旦水飲も」 雲の上の国ではすべての電力を太陽光が賄っていて ブラインドの隙間に漏れる光でどの広告か当てっこしよう Please push this button in case of
3月16日(木)〜3月20日(火)の五日間で高校同期10人ほどと有馬温泉と関西(大阪と兵庫)の観光をしてきました。帰りには夜行バスにも乗ったので、そのことについても書けたらなと思います。 旅行編1日目 東京駅発の午前8時半の新幹線で関西へ向かう。数週間前までは特に予定もなく、惰性に身を任せ、日の出の少し前に眠るという生活をしていたが、この旅行の一週間前あたりから東京観光(東京に一年住んだはずが初見の場所が多くあった)や富士急へ行く予定があったため生活習慣はかなり正常に近づ
1 酷暑には思い出されぬ故郷を厳寒の日にふと懐古する 夕方の駅は困憊した人を指嗾し喰らう怪異のようで 給湯の温度を1°C上げた朝 秋晴れの空、青は遠くて 私には見えない微かな星たちもまた、網膜を静かに照らす。 茂るビルが月を切り分け食べるから、私は月を見れないままで 火傷した舌を口蓋に押し当てる 一人で冬を感じてる夜 家にあるティッシュが全部なくなった 今日は耳の裏まで洗おう 2 「それこそが生の実感よ」 夜、食道をのぼるニンニクのかおり 僕たちは心の間の