小説家童話 鬼は書き続ける 3
※はじめて読む人、前回の話を読んでいない人は、下のリンクからそれぞれ読めるよ(^ω^)
(・ω・)/『小説家童話 鬼は書き続ける 1』
(・ω・)/『小説家童話 鬼は書き続ける 2』
それでは本編が始まります、ごゆっくりして下さい!(^^)!
サブタイトル『才能ないよ』
三章「書き続ける」
ナレーター「鬼は新作の本が出来上がる度に沢山の人に声を掛けました。だけれども読んでくれない、気が付いてもらえないことの方が多かったのでした」
鬼「新作の小説ができました。面白いです読んでください」
通り過ぎる人10980「……」テクテク
鬼「面白い本です。試しに読んでください」
通り過ぎる人27894「……」とことこ
鬼「無料で読めます。ぜひ読んでください」
通り過ぎる人37201「……」すたすた
鬼「誰も読んでくれないな」
鬼(こっちが話しかけるから読めないってこともありそうだな。書いた本を読める場所に置けば自然と誰かが読んでくれるかも。それで様子を見よう)
通り過ぎる人47209「……」すたすた
通り過ぎる人65920「……」とことこ
鬼(凄いな誰も読まないぞ。仕方ないから放置して執筆でもするか)
ナレーター「通り過ぎる人を気にせずに新しい作品を作り続けていると、まれに本を読んでくれる人がいました」
鬼(ふう区切りが悪いから少し休憩しよう。そうだ誰か本読んでくれてるかな)
通行人1「……」読み読み
通行人9「……」読み読み
鬼(あ! 作品を読んでる。1人が読み終えたみたいだ。感想もらえるかも)
通行人1「……」すたすた
鬼「あの本はボクが書きました。面白かったですか?」
通行人1「……」すたすた
鬼(行っちゃった。残りの1人は?)
通行人9「……」すたすた
鬼(感想はもらえなかったか、でも興味を持って読んでもらえてるだけでも相当ラッキーなことだよな。それに一応感想をもらえないのも感想の一種だよね、ふふ)ヒラメキ
鬼(今思ったけど、この場所に本を置くと邪魔だな、やっぱり本は片づけようかな。読んでくれる人が少数でもいるって分かって自信もついたし)悩む
鬼(それか別の場所に変えるか。ただここに置いてたら、邪魔になることだけは確かだな。どうするか)考え中
鬼(ん? 本に何かはさまってる……)
メモ『面白かったです』
鬼「感想だ……ありがとう」ニコニコ
ナレーター「それからも鬼は小説を書き続けました。今まで受け取った多様な感想が鬼の創作意欲を支え続けているのかもしれません。その後鬼が小説家になれたのかは神のぞ知ることでした。おしまい」
<おわり>
※この物語はフィクションです。