夢を見たんだ。 小さなサルの赤ちゃんが、部屋のすみっこにいて 背中を向けてブルブルふるえている。 「ぬれてるじゃないか!なんでこんなとこに?」 ボクはすばやく手を伸ばして くちびるがむらさき色のそのコを抱きかかえた。 。。。 ボクは、ずっと良い子だった。 おとうと、いもうと思いで だれとでもなかよくやれる お父さん、お母さんのじまんの子。 わがままは言わなかったし 言いたいとも思わなかった。 そのときはね。 そう思い込んでた。 まわりに思われているとおりの 良い子
はじめてキミに手紙を書くね。 ボクの名前は『みっつのはる』 ボクはいつの間にかキミを知っていて あ、でも、顔は知らない。 だけど、キミのことは知っているんだ。 ずーっとむかしの、生まれる前からね。 元気にしてたかい? 最近、うれしいことはあったかい? かなしいことはないかい? キミをだいじにしてくれる人はいるかい? キミはキミのことが好きかい? 春のおひさまに当たっていたら ふっとキミのことが心配になったんだ。 だから、手紙を書いてる。 伝えたいことがあってさ