机上詩片⑨「目隠しをしよう」
紙飛行機で 遊ぶなら
コツは 知らない 方がいい
気まぐれで折った 紙切れが
気まぐれに吹いた 風にのり
気まぐれに ただ気まぐれに
落ちていくのが 好きだから
贈り物を 贈るなら
中身は 見えない 方がいい
開ける前の 喜びも
開ける時の 楽しみも
開けた時の 驚きも
贈ってあげたい 物だから
明日へ向かって 歩くなら
目隠ししてた 方がいい
辛いことも 楽しいことも
嬉しいことも 悲しいことも
わかっていたら つまらない
見えていたなら 望まない
君と僕で 目隠しをしよう
未来が見えない 目隠しを
明日の未知を 楽しむために
見えない今日を 楽しもう
不安と怖れの 裏側に
まっくら闇の 真ん中に
宝物が きっとある