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開封しないと誰宛なのか分からない郵便物【音声と文章】

山田ゆり
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※note毎日連続投稿1357日コミット中。1295日目
※音声・文章、どちらでも楽しめます。



おはようございます。
山田ゆりです。



今回は
開封しないと誰宛なのか分からない郵便物
ということをお伝えいたします。



「ああ、まただ」

のり子は困った。
どうしよう、開封して中を確認しようか
それとも上長にお聞きしようか。


のり子は会社に来た郵便物をPCに入力する係である。

日付、種類(はがき・封書・宅配便など)、
相手先、社内の誰宛か、入力者名、内容(請求書・納品書など)
これらを入力している。

封筒に「請求書」などと書かれているものはありがたい。

しかし、一見してどんな内容なのかが分からない郵便物もある。

宛名は会社宛てだけ。

せめて、差出人名を書いてくだされば助かるのに。



会社宛てだからと言ってそれらを全部
社長へお渡ししてはいけないと
のり子は言われている。

社長はお忙しい身なのだ。
どうでもよい書類に目を通している時間はない。
だから、簡単そうに見える郵便物の振り分ではあるが、
とても神経を使っている。

以前、「これは社長宛だろう」と思って社長へお渡ししたら、
ただの営業の郵便物で社長に厳しく言われたことがある。



今回のそれは官公庁からの郵便だった。
あて先は会社で、誰が出されたのかと見ると、
先方は封筒の下にいくつも書かれてある中の
〇〇課を丸で囲んだだけで、名前は書かれていなかった。

この課からの郵便物は、今の仕事では誰が関係するのだろうか。

のり子は少し考えたが分からなかった。
仕方なく、直属の上長にお聞きすることにした。

ここで重要なのは、のり子の判断で勝手に開封してはいけないこと。
必ず直属の上長にひと言確認しないといけない。
この会社はそうなっている。


直属の上長はお忙しい方だ。
通路を隔ててすぐ隣に机があるのだが
日中の連絡はほとんどメールでするように言われている。


しかし、郵便物は現物をお見せしないと分からない。

「〇〇さん、これ、誰宛だと思います?」
のり子は上長にお聞きした。

彼女はジーっと封筒を見た。
「もぉ~、どうしてこんな出し方するのかしら。」
彼女は仕方ないから開封していいですと言われた。
のり子は封筒にカッターを当ててきれいに開封した。

中の書類にはしっかりと誰宛なのかが書かれていた。



そういうところである。
一般の会社からもそうであるが
官公庁からの郵便はこんなことが多い。

たぶん「〇〇課からの郵便なのだから△△さんにまっすぐ行くだろう」と思われて
誰宛なのか、また、
自分が誰なのかも明記せずに郵便を出されているのだろう。


のり子の勤務先には毎日、たくさんの郵便物が届く。
一日10通もない日もあれば
「これが札束だったら500万円はあるだろう」
と思うほど届くこともある。

毎日その郵便物を入力する身として
誰から誰宛なのかを明記して下されば
のり子の仕事は少しだけ時短できる。


誰宛なのかが分からない郵便物は
開封されて
「〇〇が開封いたしました」と書いた付箋を貼り
それを相手に手渡しすることになる。

相手が外出中の場合、お帰りになるまで
のり子が持っていなければいけない。


たかが郵便物の扱いではあるが
ひと言の文字が足りないために
要らぬ気を遣うことになる。


たかが郵便物
されど、である。


こんな些細なことは日常にはたくさんある。
ちょっとしたことが不足しているために
人様に手間暇かけることもあれば
ひと言添えるだけで
相手がとても助かることもある。


他山の石だな

のり子は思った。





今回は
開封しないと誰宛なのか分からない郵便物
ということをお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。



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