久々の深夜残業【音声と文章】
山田ゆり
00:00 | 00:00
1267
※note毎日連続投稿1357日コミット中。1267日目
※今日も鼻づまりですみません。
※音声・文章、どちらでも楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
久々の深夜残業
ということをお伝えいたします。
午後5：46
「ザ、残業します。」
のり子は家族ラインに書き込んだ。
「頑張って！！」
「ファイトです！！」
スタンプやメッセージが届く。
今日の帰りまでに絶対、
社長の机の上に置かなければいけない仕事がある。
たぶん、これからすれば９時半ころには終わるだろう。
よし、頑張ろう。
ほどなくして製造部門の事務のＡ子さんから電話が入る。
今日これまで何度か二人でメールのやりとりをしていた件が
まだ解決していなかった。
二人だけでは決まりそうもなかったから
直属の上長に話を聞いていただこうということになった。
分からないもの同士で話をしても解決しないものだから、
のり子もそれに賛成した。
まもなくＡ子さんがやってきて、
直属の上長を交えた３人は面談室で話し合った。
たくさんの話をし、
解決の糸口が見えたのでのり子たちは解散した。
時計は午後7：40を過ぎていた。
これからスタートしたら
終わるのは１１時頃になるだろう。
時間がないと言って悔やんだり嘆いたりしている暇はない。
やるべきことを粛々と行うだけ。
のり子は仕事に取り掛かった。
隣の営業室からは時々笑い声が聞こえる。
「ただいま！」
夕食を食べてきた営業の方が戻ってきた。
午後8：57
離れて暮らす娘から着信が入っていた。
この着信にはずっとあとで気づいた。
途中、寒くなってきた。
ロッカー室に行き、日中脱いだ衣類を一枚羽織ったら暖かくなった。
これで大丈夫。
営業室を通ってその奥の事務室へ向かう。
途中、エアコンから涼しい風が吹いていた。
「これ、冷房ですか？暖房ですか？」
「暖房のつもりなんだが、さっきから涼しい風しか出てこなくて寒くなったよ。
そっちのストーブ付けた方がいいんじゃないか。」
営業のＢさんがそうおっしゃり
事務室のストーブのスイッチを入れてくださった。
ゴーっという轟音と共にストーブが付き
まもなく事務所内が暖かくなった。
ありがたい。
これで安心。
再び自分の席に戻りＰＣに向かう。
この作業は、目の前にある大きなデスクトップ型パソコンと
その脇にノート型パソコンを開いて行う。
それがとても煩わしいが仕方ない。
その仕事はじっくり考えながら組み立てていく作業だった。
毎回、完成形を見た時、
「よく頑張った自分」とのり子は自分を褒めている。
たくさんの工程があり、小さく小さく目標を定めて
一つずつ消し込んでいく。
今回は特に面倒な内容が多い。
でも、今日絶対に決めないといけない案件だ。
静かな事務室にのり子ひとり。
ＰＣを打つ音と
時々マウスのカチカチが室内に響く。
そのうち、営業の方は一人、
また一人と帰っていった。
途中、のり子はおなかがすいてきた。
今日はこんなに遅くなる予定ではなかったから
おなかの足しになるものを持ってきていなかった。
午後11：00ころ
突然、睡魔が襲ってきた。
のり子は最近、仕事を集中してできるのは半日くらいになっていた。
体が疲れ集中力が無くなっていた。
どうしよう。
のり子の場合、ここで20分くらい
体を横にして眠れば回復するのはわかっているが
今のこの時間に横になるよりも
我慢して起きていた方がいいだろう。
しかも営業の方はまだいらっしゃる。
残業中に寝ている姿なんか見られたくない。
もう、体を動かしていないと寝てしまいそうだった。
のり子は立ち上がり、営業の方に見えない位置で
ラジオ体操第一の前半をした。
その姿はやっているのり子自身でも滑稽に思え
自然に笑みが出て気分が上向いた。
午後11：54
娘からの着信があった。
もちろんそれに気づいたのはずっと後だった。
午前0時が過ぎた。
「そろそろ、私は帰ります。」
最後の営業の方が帰って行かれた。
寂しいといけないからといって
営業室の電気はつけたままで帰られた。
なんて優しい方なんだろう。
今回は思った以上に難しい案件だったが
やっと出来上がり印刷をして間違いがないかを確認し
もう一度すべてを印刷して
それを封筒に入れて、封をして社長室の机の上に置いた。
この書類はお忙しい社長が翌朝早くにご覧になり、決済してくださる。
明日（今日）も社長はスケジュールがいっぱいで出入りが多い。
僅かの隙間に大事な書類を見ていただいて決済をいただかないと
たちまち仕事が滞る。
全ての印刷が終え、２台のＰＣの電源を落とし
ストーブ・足元ストーブ・ポットの電源を抜き、
身支度をしてタイムカードの機械の前にきた。
午前1：00
初めてその時間を見た。
今打刻すると、昨日の終わりの欄に印字されるのだろうか、
それとも、翌日の始まりに印字されるのか。
少し考えたが、とりあえず打刻してみた。
昨日の終わりに「1：01」と打刻された。
厳粛に施錠の儀式をし、会社を出た。
マニュアル通りにしないと警備会社の方が飛んでくる。
午前0：08
娘からラインの電話に着信があった。
この時運転中で、着信には気づかなかった。
帰宅したら娘がまだ起きていた。
「お帰り。帰ってこないかと思った。」
娘はのり子の方をじっと見ていた。
のり子は娘に近づき、その細い体を抱きしめ、
そして背中をトントンした。
娘も母をトントンし
お互い叩くスピードが速くなっていった。
やがてお互いに笑って離れた。
今回は
久々の深夜残業
ということをお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
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私は愛されています
大きな愛で包まれています
失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています
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おはようございます。
山田ゆりです。
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ということをお伝えいたします。
午後5：46
「ザ、残業します。」
のり子は家族ラインに書き込んだ。
「頑張って！！」
「ファイトです！！」
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今日の帰りまでに絶対、
社長の机の上に置かなければいけない仕事がある。
たぶん、これからすれば９時半ころには終わるだろう。
よし、頑張ろう。
ほどなくして製造部門の事務のＡ子さんから電話が入る。
今日これまで何度か二人でメールのやりとりをしていた件が
まだ解決していなかった。
二人だけでは決まりそうもなかったから
直属の上長に話を聞いていただこうということになった。
分からないもの同士で話をしても解決しないものだから、
のり子もそれに賛成した。
まもなくＡ子さんがやってきて、
直属の上長を交えた３人は面談室で話し合った。
たくさんの話をし、
解決の糸口が見えたのでのり子たちは解散した。
時計は午後7：40を過ぎていた。
これからスタートしたら
終わるのは１１時頃になるだろう。
時間がないと言って悔やんだり嘆いたりしている暇はない。
やるべきことを粛々と行うだけ。
のり子は仕事に取り掛かった。
隣の営業室からは時々笑い声が聞こえる。
「ただいま！」
夕食を食べてきた営業の方が戻ってきた。
午後8：57
離れて暮らす娘から着信が入っていた。
この着信にはずっとあとで気づいた。
途中、寒くなってきた。
ロッカー室に行き、日中脱いだ衣類を一枚羽織ったら暖かくなった。
これで大丈夫。
営業室を通ってその奥の事務室へ向かう。
途中、エアコンから涼しい風が吹いていた。
「これ、冷房ですか？暖房ですか？」
「暖房のつもりなんだが、さっきから涼しい風しか出てこなくて寒くなったよ。
そっちのストーブ付けた方がいいんじゃないか。」
営業のＢさんがそうおっしゃり
事務室のストーブのスイッチを入れてくださった。
ゴーっという轟音と共にストーブが付き
まもなく事務所内が暖かくなった。
ありがたい。
これで安心。
再び自分の席に戻りＰＣに向かう。
この作業は、目の前にある大きなデスクトップ型パソコンと
その脇にノート型パソコンを開いて行う。
それがとても煩わしいが仕方ない。
その仕事はじっくり考えながら組み立てていく作業だった。
毎回、完成形を見た時、
「よく頑張った自分」とのり子は自分を褒めている。
たくさんの工程があり、小さく小さく目標を定めて
一つずつ消し込んでいく。
今回は特に面倒な内容が多い。
でも、今日絶対に決めないといけない案件だ。
静かな事務室にのり子ひとり。
ＰＣを打つ音と
時々マウスのカチカチが室内に響く。
そのうち、営業の方は一人、
また一人と帰っていった。
途中、のり子はおなかがすいてきた。
今日はこんなに遅くなる予定ではなかったから
おなかの足しになるものを持ってきていなかった。
午後11：00ころ
突然、睡魔が襲ってきた。
のり子は最近、仕事を集中してできるのは半日くらいになっていた。
体が疲れ集中力が無くなっていた。
どうしよう。
のり子の場合、ここで20分くらい
体を横にして眠れば回復するのはわかっているが
今のこの時間に横になるよりも
我慢して起きていた方がいいだろう。
しかも営業の方はまだいらっしゃる。
残業中に寝ている姿なんか見られたくない。
もう、体を動かしていないと寝てしまいそうだった。
のり子は立ち上がり、営業の方に見えない位置で
ラジオ体操第一の前半をした。
その姿はやっているのり子自身でも滑稽に思え
自然に笑みが出て気分が上向いた。
午後11：54
娘からの着信があった。
もちろんそれに気づいたのはずっと後だった。
午前0時が過ぎた。
「そろそろ、私は帰ります。」
最後の営業の方が帰って行かれた。
寂しいといけないからといって
営業室の電気はつけたままで帰られた。
なんて優しい方なんだろう。
今回は思った以上に難しい案件だったが
やっと出来上がり印刷をして間違いがないかを確認し
もう一度すべてを印刷して
それを封筒に入れて、封をして社長室の机の上に置いた。
この書類はお忙しい社長が翌朝早くにご覧になり、決済してくださる。
明日（今日）も社長はスケジュールがいっぱいで出入りが多い。
僅かの隙間に大事な書類を見ていただいて決済をいただかないと
たちまち仕事が滞る。
全ての印刷が終え、２台のＰＣの電源を落とし
ストーブ・足元ストーブ・ポットの電源を抜き、
身支度をしてタイムカードの機械の前にきた。
午前1：00
初めてその時間を見た。
今打刻すると、昨日の終わりの欄に印字されるのだろうか、
それとも、翌日の始まりに印字されるのか。
少し考えたが、とりあえず打刻してみた。
昨日の終わりに「1：01」と打刻された。
厳粛に施錠の儀式をし、会社を出た。
マニュアル通りにしないと警備会社の方が飛んでくる。
午前0：08
娘からラインの電話に着信があった。
この時運転中で、着信には気づかなかった。
帰宅したら娘がまだ起きていた。
「お帰り。帰ってこないかと思った。」
娘はのり子の方をじっと見ていた。
のり子は娘に近づき、その細い体を抱きしめ、
そして背中をトントンした。
娘も母をトントンし
お互い叩くスピードが速くなっていった。
やがてお互いに笑って離れた。
今回は
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本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
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