「申立書」【音声と文章】
山田ゆり
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1292
※note毎日連続投稿1357日コミット中。1292日目
※音声・文章、どちらでも楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
「申立書」
ということをお伝えいたします。
「〇〇株式会社の〇〇と申します。
10時のお約束でA様に〇〇の申請の件で参りました。」
のり子は受付カウンターに来られた女性職員の方に
明るくてきぱきと挨拶をした。
女性職員は誰宛のお客様なのかが分かって
安堵しているのが表情で分かった。
指定された椅子に座ると間もなくA氏がみえた。
電話でのイメージとは少し違っていた。
A氏は名刺を片手で差し出し、
のり子が受け取る前に机の上に置き、いったん消えた。
「えっ?そんな名刺の渡し方をされる?」
のり子の心にぐさりと刺さるものがあった。
のり子は戻ってきたA氏に両手で名刺を持ち、
低い位置でお渡しした。
その方は片手でそれを受け取り机の上に置いた。
今日は書類の申請に来た。
ここはその申請場所だ。
分かっている。
のり子は申請する人で先方はそれを審査し承認する立場。
上下関係がはっきりしている。
たかが名刺のやりとりだ。
我慢しろ。
のり子は名刺の受け渡しで自分を否定されたように感じ
落ち込みそうになる自分を励ました。
ここで例えば
「今日はいいお天気ですね。」とか
時候の挨拶などで「イエス」を取ってから本題に入るのだが
その方は椅子に座るなり開口一番
「じゃ、書類を出してください。」
とおっしゃった。
のり子は提出順に揃えた書類を相手に差し出した。
順番は提出要領通りに並べてきたから万全だ。
A氏は一番最初の書類に
シャープペンシルでチェックを入れ始めた。
重要な部分の文言にひとつひとつ、
チェックを書いていく。
そして不足の文字を書いていく。
前回の申請の時にこう書いてくださいと言われた文言通りにしたが
やはり受け付ける人によって違うものだ。
また、前回の申請から5年が過ぎているから
申請内容も変わっているのは当たり前だ。
この申請は一般的な申請とは違い
書類の中の文言の一字一句が
そぐわないものが無いかをチェックされる。
だから、前回の申請の時も最終的な申請受付まで、
電話やファックスで数回確認し、
3回の面談でやっと受理されたから
今回も一回で申請が通るとは思っていなかった。
シャープペンシルは忙しく動いていた。
先方はその加筆部分に対して何も説明をしない。
のり子は腰を浮かしてその書類の字を見る。
二人を遮る透明な衝立が邪魔してよく見えない。
「〇〇ですか?」とのり子がお尋ねすると
初めてその方はその追加した文字に対して説明をしてくださる。
聞いたら教えてくださるがこちらが黙っていると
先方は黙ってペンを走らせている。
そして、修正箇所に付箋を貼られた。
順番通りに揃えてきた書類は
その方のチェックする順番に並べ替えられた。
「〇〇が無いですね」と言われた。
そんなはずはない。
のり子は持ってきた控えの書類を確認し
どのあたりに挟んであるかを確認して
提出用の書類をお借りしてその書類を提示した。
何のための提出順なのだと内心思ったが我慢我慢。
時間はもう50分が過ぎていた。
書類はもうすぐで終わる。
相手は最後に「申立書」を見た。
のり子はどきりとした。
のり子にとって今回の申請で
この「申立書」だけが一番のきがかりだったから。
長くなりましたので
続きは次回にいたします。
今回は
「申立書」
ということをお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
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http://yuuki2.com/l/u/Z4bGUPjaVPxU6Dk5
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のり子は愛されています
大きな愛で包まれています
失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+
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山田ゆりです。
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「申立書」
ということをお伝えいたします。
「〇〇株式会社の〇〇と申します。
10時のお約束でA様に〇〇の申請の件で参りました。」
のり子は受付カウンターに来られた女性職員の方に
明るくてきぱきと挨拶をした。
女性職員は誰宛のお客様なのかが分かって
安堵しているのが表情で分かった。
指定された椅子に座ると間もなくA氏がみえた。
電話でのイメージとは少し違っていた。
A氏は名刺を片手で差し出し、
のり子が受け取る前に机の上に置き、いったん消えた。
「えっ?そんな名刺の渡し方をされる?」
のり子の心にぐさりと刺さるものがあった。
のり子は戻ってきたA氏に両手で名刺を持ち、
低い位置でお渡しした。
その方は片手でそれを受け取り机の上に置いた。
今日は書類の申請に来た。
ここはその申請場所だ。
分かっている。
のり子は申請する人で先方はそれを審査し承認する立場。
上下関係がはっきりしている。
たかが名刺のやりとりだ。
我慢しろ。
のり子は名刺の受け渡しで自分を否定されたように感じ
落ち込みそうになる自分を励ました。
ここで例えば
「今日はいいお天気ですね。」とか
時候の挨拶などで「イエス」を取ってから本題に入るのだが
その方は椅子に座るなり開口一番
「じゃ、書類を出してください。」
とおっしゃった。
のり子は提出順に揃えた書類を相手に差し出した。
順番は提出要領通りに並べてきたから万全だ。
A氏は一番最初の書類に
シャープペンシルでチェックを入れ始めた。
重要な部分の文言にひとつひとつ、
チェックを書いていく。
そして不足の文字を書いていく。
前回の申請の時にこう書いてくださいと言われた文言通りにしたが
やはり受け付ける人によって違うものだ。
また、前回の申請から5年が過ぎているから
申請内容も変わっているのは当たり前だ。
この申請は一般的な申請とは違い
書類の中の文言の一字一句が
そぐわないものが無いかをチェックされる。
だから、前回の申請の時も最終的な申請受付まで、
電話やファックスで数回確認し、
3回の面談でやっと受理されたから
今回も一回で申請が通るとは思っていなかった。
シャープペンシルは忙しく動いていた。
先方はその加筆部分に対して何も説明をしない。
のり子は腰を浮かしてその書類の字を見る。
二人を遮る透明な衝立が邪魔してよく見えない。
「〇〇ですか?」とのり子がお尋ねすると
初めてその方はその追加した文字に対して説明をしてくださる。
聞いたら教えてくださるがこちらが黙っていると
先方は黙ってペンを走らせている。
そして、修正箇所に付箋を貼られた。
順番通りに揃えてきた書類は
その方のチェックする順番に並べ替えられた。
「〇〇が無いですね」と言われた。
そんなはずはない。
のり子は持ってきた控えの書類を確認し
どのあたりに挟んであるかを確認して
提出用の書類をお借りしてその書類を提示した。
何のための提出順なのだと内心思ったが我慢我慢。
時間はもう50分が過ぎていた。
書類はもうすぐで終わる。
相手は最後に「申立書」を見た。
のり子はどきりとした。
のり子にとって今回の申請で
この「申立書」だけが一番のきがかりだったから。
長くなりましたので
続きは次回にいたします。
今回は
「申立書」
ということをお伝えいたしました。
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ありがとうございました。
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