呼吸もできないほどに
るんるん気分で私に近づいてくる後輩、
もう夜の11時、ひっそりとした職場、昼間は大人数で仕事をしているせいか理性的な場所なのに、時間と人の少なさが理性の牙城を崩したのであろう、まるで、自宅かのように、後輩は声をかけて来た。
「残響ですか?」
私は、疲れたまぶたを隠すように目を見開き愛想よく答える。
後輩は私の調子を後目に、
「残業なんですねぇ!」そういえば誕生日来週でしたよね? と答える。
来てほしく無い誕生日、昔はあんなに嬉しかった1日だったのに、いつの間にか、責任がまた一