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男の料理

お酒を飲むのが好きな夫は、コロナの影響で以前のように飲みに行けなくなったことが、相当ツラいらしくて、ことあるごとに「早く飲みに行けるようにならないかなぁ」と言っています。確かに職場の飲み会もなくなってしまいましたし、古くからの友人と定期的に開いていた会や旅行などもすっかりご無沙汰です。今は、せいぜい兄弟で家飲みするくらいが、ささやかな楽しみといったところです。

少人数での家飲み、というのに活路を見いだしたのか、このところ友人を一人か二人家に呼んで、食事しながらお酒を楽しむようになりました。家でとなると、もてなす方は大変で私の方の負担がありそうに思えますが、最初からの約束で料理は夫が自分で作ることになっているのです。

今日も私は朝から1日出かける予定があったので、留守を狙って友人と約束していたようです。お昼頃にラインで写真が送られてきました。

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やむを得ず始めたこととはいえ、夫が料理を楽しんでくれるようになって、とてもうれしく思っています。

元々、必要があれば料理もしてくれた夫ですが、できたら私に作ってもらったものを食べたいと言って、積極的にはキッチンに立とうとはしませんでした。

しかし、このところのジェンダーに関する社会の変化や職場の若い人たちの生活スタイルを見ていて、夫の意識も少しずつ変わってきたのかもしれません。

料理をする時間というのは、切るとか焼くとか、すごく集中しなければできないことで、気がつくとその時間は頭が空っぽになっています。仕事などでストレスがたまりがちな人こそ、料理することはよい気分転換になるのではないかと思います。たしか、神の手で有名なドクターも手術後は無心で料理をすることで頭と心を切り替える、と教えてもらったことがあります。

それに、万が一私に何かあったときも、自分で料理をすることができたら、ずいぶん生活は明るいものになると思うのです。お互いそんなことも、ふと考えるようになってきたのかもしれませんね。まだ当分二人でいられることを望んではいますが、一人でも生きていけるような準備はお互い必要なのかな、と思います。思わぬ方向に話が進んでしまいました。


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