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スゴイものをみた
昨日は、10年ほど前にいたバレエスタジオの発表会だった。
そこの発表会はとにかくゲストがすごい。
昨日も新国立劇場のトップダンサーたちが何人も出演されていた。
それも、バレエ団でトップの座にいるプリンシパルの人も何人も来て、その演目が無料で見られるのだ。
だから小さなバレエスタジオの発表会というのに、開場前には100メートル近い行列ができていた。
観覧席も半分が「招待客用」という、ちょっと見たことのない様子だった。
そして毎回おどろく。一般的な発表会では、ゲストは最後にちょろっと踊って終わり、というところが多い。
でもここの発表会ではゲストがいくつもの演目を踊る。それもかなり長時間。一人平均5回は衣装替えをしていた。
こんなにハードなゲスト出演依頼をよく引き受けてくれると思う。
そしてこんな凄まじい発表会で昨日は超感動してしまった。
この人の踊りに。
その人は小野絢子さん。
以前から何度もゲストで出演されていたけれど、今回の白鳥にはびっくりしてしまった。
ポアントを履く脚が、まるで手のように動くのだ。
白鳥の振り付けで、ポアントで立ちながら片足を痙攣させるように、動かすバッチュというものがあるが、これが見たことのない細かさで優雅だった。
バッチュはこの動画の8分くらいのところに出てくるもので、オデットが王子への愛情を示すもの。
これはキエフのバレエ団だから世界最高峰と言っていいものだけれど、昨日バッチュはこれを遥かに凌いでいた。
小野さんの脚の動きの全てが、本当に繊細で優しくて美しい。
前にあげた脚が、脛のところでしなっているように見えるほど。それほど優美な足のあげ方をなさる。
とにかくスゴい❗️の一言。
何が違うのか、と調べてみてふと気づいた。
小さい頃に日本舞踊をやられていたそう。
そういえば、昔習っていた先生でやっぱり日舞の師範の人がいて、その人の踊りもものすごく優美だった。
その先生は男性だったけれど、とても優しくて落ち着いた踊りをする人だった。
ちょっと小野さんの雰囲気に似ている。
決して派手ではないけれど何か強いものが、内面から伝わってきて心を打つ。
日舞とバレエ、全く共通点がなさそうに見えるかもしれない。
でも身体を使って表現するということは一緒。
使う筋肉や体の使い方は違っても、きっと表現のしかたはそんなに変わらないのかもしれない。
その先生がこんなことを言っていた。
「玉三郎さんと仕事でご一緒したことがあったけれど、その踊りがとってもバレエの参考になるのよ。つま先の使い方が素晴らしいの。」
私は今でもその境地には至れずに、理解できないままだけど、とても印象に残る言葉だった。
そして不肖ながら、昨日の小野さんの踊りに触発されて、レッスンへの情熱がちょっと高まりつつある。。
いえいえ、小野さんみたいに踊りたい、なんてそんな大それたことは思わないけれど、少しでもキレイに踊れたら嬉しいし、改善点はまだまだ無限にあるから、私にだって伸び代はあるのだ笑
と前向きにレッスンに取り組んでしまおうと思う。