ウケるマジックネタ欲しいって思ってるのにCirrus買ってないの?
今回の記事は、マジックに関する秘密や専門的な話がバンバン出てきます。ですので、ここから先を読む方は、マジシャンの方や"めちゃくちゃすごいマジックを覚えたい!"と思ってる方だけ読み進めるようお願いします。
よく映画レビューのコラムとか動画とかであるじゃないですか。「ここから先は映画の重要なネタバレを含みますので、映画をご視聴後に見ることを推奨します。その点、ご了承の上、ご覧ください。」的なやつ。あれと一緒です。
マジックを今後本格的にやる予定がないよ!という人は、むしろ知らないほうが幸せぐらいあります。1度知ってしまったら、知らなかった頃にはもう戻れませんから。それはマジックの楽しみをあなたから一生奪うということになるので、それはもうめちゃくちゃ悲劇です。何回、記憶を消してこのマジックをもう1回見たい!と思ったか!笑
というわけで、タネを知りたい人ではなく、マジックで誰かを楽しませたい!という気持ちを持っている方だけで、この先を読んでくださいね。
Cirrusはオススメです!
「ITRの歴史は2つに分けられる。Cirrusが生まれる前の時代と、生まれた後の時代だ。」-月乃輪うるふ
最近、マジック界隈で熱を帯びているトピックがこちら。革命的なITRの「Cirrus(シーラス)」の発売です。
今回、ホルダータイプを購入させていただきまして、いろいろと使わせていただいてるんですが…
これ、めちゃくちゃ神アイテムです。
ITRというと「使うのが難しそう」「アクシデントが起きやすそう」「メンテナンスが大変そう」と、すごいのはなんとなく知ってるんだけど、そのデメリットが故に敬遠されがちなアイテムです。
実際、その気持ちはめちゃくちゃわかります。なぜなら、実際に僕がそう思ってたから。
ITRは、浮遊や念動という、スライハンドだけでは起こすのが難しい現象ができます。しかも、すごーくウケがいいです。
だいたい多くのマジックはテクニックでなんとなく出来そうってイメージがあるんですが、ITRを使うとその対象物に触れずに現象が起こせるので、とっても不思議がられます。観客や演出によっては、"人ならざる者"の力っぽく見えて怖がっちゃう方もいるくらいです。
どんな感じか見てみたい人は、実際に演じてみた動画がありますのでご覧ください。
こんなふうにスライハンドではできなさそうな唯一無二の現象をITRは起こせてしまいます。
ただ、ITRはものすごく繊細な道具なので、演技中にアクシデントが起きやすかったり、修理やメンテナンスもかなりめんどくさいので、だんだんと使わなくなっていくことが多い道具でした。
僕も買っては壊れて、もう使わなくなる、新しいITRが出ては買って、また壊れて…という悲惨なループを経験をした人は多いと思いますし、買ったことがなくても、ITRに対してなんとなーくそういうイメージがあって手を出せていない、という人も多いと思います。
そんな人にオススメしたい商品が「Cirrus」です。
過去のITRの課題が全部解決しちゃった
Cirrusの僕的おすすめポイントを端的に伝えると…
・切れない
・楽ちん
・着け心地がいい
こんな感じです。1個ずつ見ていきましょう。
・切れない
Cirrusを買ってかれこれ1週間弱触り続けているのですが、実はまだ1回もスレッドが切れていません。
これってわかる人にはわかるんですが、めちゃくちゃすごいです。
僕のITR歴はだいたい半年強ぐらいって感じで、ある程度ITRには触り慣れてはいます。そこそこいろんなリールを買ってはタンスの奥にしまってきたのですが、ここまで切れないのは初めて。
どうやら、Cirrusを制作した会社が独自開発した「RAIN」というスレッドがCirrusには使われているんですが、それの耐久力が凄すぎます。
「ベクトラ」っていう有名なスレッドがあるんですが、デックを持ち上げられるぐらい耐久力のあるんです。ベクトラは確かにある程度重いものでも持ち上げられるんですが、やはりテンションが強くかかってしまうと切れてしまいます。
前までのITRだったら「あ、切れたな」っていう感触でも、Cirrusだったらなぜか切れていないんですよね。程よい柔らかさがあるというか、テンションがピンとかかっても、その力を上手くいなしてくれるというか。
ベクトラを"剛の耐久性"というなら、レインは"柔の耐久性"という感じでしょうか。
初心者の方が触ると、力加減がよく分からなくて切ってしまうことはもちろんあるかもしれませんが、他のITRと比べたら圧倒的にCirrusの方が切れません。
「ITRは切れやすい」というイメージが僕の中にはめちゃくちゃあったので、切れて演技が出来なくなるかもしれない、というシチュエーションのストレスが本当に無くなりました。これはかなり大きいです。
更にほかのITRは切れやすい、ということは、その度に修理やメンテナンスをしなければいけないということになります。これが従来のITRは、かなりめんどくさいんです。
細々とした修理工程がたくさんあるんですが、それを切れる度にしなければいけなかったので、そりゃあめんどくさいから、だんだんとITRからは離れていきますよね。
Cirrusはスレッドが切れにくいので、修理の数も減るわけです。さらに切れたとしても、その修理自体が超楽ちんなんです。
・楽ちん
まず、他のITRはスレッドが切れると、パーツを分解して、切れたところを探してワックスをつけ、それを筒の中に通して、側面の穴から取り出し、動力のゴムをパーツに結びつけ、全体を組み立てていく…という不器用な人にとっては修羅の道とも思える修理工程があります。
スレッドは細いし、穴は小さいし、パーツはたくさんあって分解するのも組み立てるのも面倒。
ですが、Cirrusはそれらの工程が大幅に少なくなるように設計されています。
修理をする際に、パーツを取り出すのは2回ぐらいで済みますし、アタッチメントのようにカチッとはめるだけで完成していくので、細々とした操作も必要ありません。
なんなら糸が完全に取れちゃったとか、動力ゴムとかが完全に切れちゃったって場合は、別売りのリフィルもありますので、それを買ってパチンと付けるだけで修理完了です。これも画期的。
この感覚を例に挙げるとすれば、ラーメンを作りますよーって時に、スープや麺、チャーシューとかを1から作って食べる感覚なのが従来のITR、かやくやスープの粉を入れてお湯を注いで3分待つカップラーメンぐらい簡単なのがCirrusです。
ITRの修理のめんどくささが原因で離れてしまった人は、Cirrusでぜーんぶ解決です。
・着け心地の良さ
最後に、着け心地の良さです。僕はホルダータイプを購入したのですが、トリプルリールというITR界の二郎マシマシセットなのに、驚異的に小さいです。シングルタイプにいたっては、フィンガーパームできるぐらいの小ささです。
なので、装着していても全く気になりません。僕はベルトに付けたり、ポケットの上部に付けたりして演じているんですが、全く気になりませんし、アウターやジャケット、Tシャツ等で隠れますので、指摘されたこともまだありません。
ホルダータイプは装着してみると確かにちょっと存在感はあるんですが、スレッドを指に引っ掛ける際のムーブは、本来シークレットムーブですので、ディレクションのかけ方等でどうとでもなります。
シングルタイプは、解説内で聖寿さんがTシャツの首のところに付けてましたが、言われるまで全然気づきませんでした。耳掛けタイプも共演者の方から「あ、ずっと付けてたんですね」と言われるぐらいわからないです。
小さいし、かさばらない、付けていることを忘れちゃうぐらいのつけ心地の良さです。Cirrusを付けたまま、昼寝しちゃったこともあるくらいです。うっかりさんは要注意。笑
と、このように、従来のITRと比べると圧倒的に優れています。まだまだCirrusのいい点はあるんですが、あんまり書くと「案件ですか!?」って言われちゃうので、一旦この辺にします!(案件お待ちしています!!!)
デメリットは高価
今読み返したんですが、いいとこばっかしか書いてないので、マジで案件みたいに見えちゃったので、僕が思うデメリットをひとつ書いておきます。
それは、値段が高いってことです。正直、ちょっと買ってみようかなー、ってレベルの値段ではありません。例えば、ホルダータイプを学生さんが買おうと思うと、かなり勇気のいるお買い物です。NintendoSwitchと同じくらいの値段ですからね。笑
ここばっかりは、僕のアドバイスとかではどうにもならないので、自分のお財布とよく相談しながら決めてください。ただ、買った時は、しばらくはウケネタには困らない生活が待っていますよ。十分、値段以上の価値が返ってくると思います。
もしあなたがストリートやホッピング等、マジックを披露してお金をもらうお仕事をしているなら、買わないという選択肢はほぼありません。笑
あなたがよっぽどひどいマジシャンでない限りは、買った分の元はすぐに取り返せると思います。笑
現象が強すぎるので、まず間違いなくウケて、観客の満足度が上がり、打率や単価も上がるでしょう。確定申告もきちんとやってるなら、経費で落とせますし、マジで買わない理由が見当たりませんよ。笑
デメリットは値段が高いこと、と言いましたが、ちゃんとそれだけの価値はあります。高いがゆえに手を出しづらいので、だれもかれもがやっていないということで、ほかのマジシャンを出し抜けるという風にも捉えられます。
このデメリットをどう捉えるかはあなた次第です。
Cirrusから始めていいの?
ITRに触ったことない方で買おうか迷ってる方もいると思います。また、安めの従来品ITRを買ってからにしようかなって考えている人もいるかもしれません。
ですが、ぶっちゃけ、ITR初心者の人ほど、Cirrusから始めたほうがいいと思います。そして、ITRに挫折した人もCirrusを触ってみるべきです。
上記にあげた3つの点は、僕がいろんなITRを触って、馴染まなかった理由のひとつでもあります。
なので「Cirrusは高いから、ほかのITRからやってみようかな…」ってなると、ITRに苦手意識をもってしまうかもしれません。
それだったら、Cirrusのシングルタイプを買うべきです。シングルリールは他のに比べて安価ですし、ライジングカードとか、サングラスやペットボトルを動かす現象など、ITRの基礎的現象はできます。
初心者の方でも扱えるように、内部構造やメンテナンスの仕方、スレッドを見えづらくする方法に豊富な手順解説が日本語で教えてくれるので、「やべーなにもわからねー!😭」ってことも全く心配ありません。
海外の製品で英語がわからなくても手順はなんとか目コピはできるんですが、スレッドの隠し方やコツ等を日本語で学べるのは、貴重な教材かもしれません。
というわけで、ITR初心者こそCirrusから始めるべきだと僕は思いました。
Cirrusと一緒に買った方がいいもの
お金の面をクリアできるなら、僕はホルダータイプを買うべきだと思っています。なぜなら、ダブルリールの存在です。
ホルダータイプであれば、ダブルリールでしかできない手順も出来るし、シングルリールもついでにあるのでシングルの手順もできます。
「それだったら、せっかくならホルダータイプ買った方がお得じゃない?シングル買った後に、ホルダー買ったら、余計に高くなるよ?」
と思っていたんですが、僕がこう思うのも、あれを持っていたからこう思えてるんだろうな、と思いました。
それが指輪です。
ライジングカードやホーンテッドデック、UFOカードをやりたいなら、ぶっちゃけシングルリールで事足りてしまいます。それをやりたいなら、ダブルリールじゃなくてもいいなって思っちゃうのはわかる気がします。
ただ、ダブルリールにしかできないことがありまして、それが指輪の完全浮遊です。
僕の動画でも紹介した、指輪の浮遊を見ていただければわかるんですが、空中にピタッと静止するように指輪が浮いています。
この浮き方って、糸感というのか吊るしてる感があんまりないんですよね。まあぶっちゃけ糸で浮かしてるんだろうなって想像はできるんですが、その糸の存在を認知出来ないんですよね。
これはダブルリールにしかできません。ダブルリールの特権です。
ですので、ホルダータイプを買う方は、指輪も一緒に買われると、存分に楽しめると思います。
参考までに、僕が使っている指輪のリンクを貼っておきますね。リングサイズについては、ググれば色々と出てきますので調べてみてください。
ちなみに、ITRのpixelを開発したTAKEさんも、ITRに最適な太くて軽いタイプの指輪の予約販売をしています。サイズは16号ですので、指の大きさが合う方はぜひそちらも参考にしてみてください。僕は指が太くて入りません。残念!!!
乗るしかない、このビッグウェーブに
マジックグッズとしては、久しぶりの大当たり商品でした。マジックオタクとしての愛が溢れすぎて、6000字近くの大容量になってしまったことをお許しください。
もう少し喋りたいことはあるのですが、(ホルダータイプの斜めになってる部分が賢いとか、解説動画の和気あいあい感がいいとか、時間を守るのは大切だとか…etc)これ以上書くと、焼肉食べ放題に来たのはいいけど食べすぎて最終的に後悔する人、みたいな方が大量発生しそうなので、Twitterで小出しにしていく予定です。
マジで買って損はしません。マジック界隈ではいいレビューしか見かけないので、逆に心配になるかもしれませんが、それほどいい商品ってことです!一緒にこのビッグウェーブに乗りましょう!
改めて、Cirrusを開発した、うかわたくまさん、Carreterの皆さん、講師陣のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
ここまで読んでいただいたあなたにも本当に感謝です。ありがとうございました。Cirrusを買う際の参考になれば幸いです。
以上、月乃輪うるふでした。Twitterでは毎日マジック動画をアップしていますので、ぜひそちらもお楽しみください。それでは、またお会いしましょう。
月乃輪うるふ