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#48 キレイの定義
衣食住。
生活するうえで欠かせないこれらの柱は、家事によって形成されている。
掃除、洗濯、料理という具合だ。
月猫はこれらの作業がどれも苦手。
やらなくていいなら一生したくない。笑
料理は、味付けが苦手。
見た目はいい感じに作れるのだが、味が決まらない。
というのも、バカ舌が故に、少しの味見ではよくわからず、微調整ができないからだ。
洗濯は、まだいい。
洗濯機に積み込めば、ボタン一つで洗ってくれる。
だけど大雑把なので、色物を分けたりもしなければ、ポケットの中身の確認すらしない。
故に、旦那様の仕事道具を一緒に洗ってしまうこともしばしば。
中でも、掃除。
これが、大の苦手だ。
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住環境を整えるための、「掃除」。
広義にいうが、これには実は段階がある。
掃除というのは、あくまでも「汚れを取り除くこと」。
これだけではおうちはキレイにはならない。
そう、掃除の前段階として、「片づけ」が必要になってくるのだ。
片づけとは「不要なものを取り除き、使いやすい場所に定位置を定めること」。
この両輪がそろって、初めて住環境は清潔に保たれる。
わたしはこの意味における、「片づけ」は得意なのだが、「掃除」が苦手だ。
というか、わたしがイメージする「キレイな部屋」というのは、整理整頓され、無駄なものが散乱していない、秩序ある部屋だ。
正直、床にはほこりが見えない程度、掃除されていればいいとさえ思っていたりする。
「四角い部屋を丸く掃除して満足する」タイプだ。
自分の目に見えるところだけ汚れていなければいいと思っている。
しかし困ったことに、我が旦那は真逆の価値観をお持ちである。
ホコリは角の少しにでもあったら「汚い」という判定になる。
そのくせ、出したものは片づけないタイプなので、放置するとあらゆるものが出たままになってしまう。
わたしたちが思う「キレイの定義」は真逆である。
キレイにしようと一生懸命片づけてざっと掃除機をかけて、住み心地をよくした部屋を見ても、旦那はキレイだとは思わない。
かといって、旦那が隅々まで掃除をしてくれても、わたしはキレイになったことにすら気づかない。
なんという価値観の相違だろうか。
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よく、「価値観があう人じゃなきゃ結婚できない」というセリフを聞く。
そこから言うと、わたしたちは多分非常に凸凹で、強みや弱みが違うだけでなく、色んなことに対する価値観が違うと思う。
でも、わたしはそれもひとつの夫婦のカタチであると思っている。
だって、考えてみて。
もし、ふたりとも「キレイの定義」が全く同じだったとしたら。
ふたりとも掃除も片づけもできるタイプであれば別だが、どちらかに偏ってしまっては、多分住環境は永遠に完璧にはならないだろう。
わたしみたいなタイプが二人だったらきっと、部屋はすっきりしているが、隠れた隙間にホコリがたまった部屋になるし、旦那みたいなタイプだったら、ホコリはないものの散らかしっぱなしの部屋になることだろう。
わたしは、価値観が違うふたりだからこそできる補完関係があると思っている。
目指す「キレイ」の概念が違うから、多分どちらかがやっただけではお互いに満足はしない。
一緒に暮らしだした当時、その違いにお互いイライラしたりもした。
だが、「自分が得意とすること」「自分が目指すもの」をそれぞれがきちんと力を出し合えば、片づけも掃除も完ぺきな住環境を作り出せるはずだ。
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何事も、偏った視野で見てはいけない。
ものごとはあらゆる角度からみて、ようやく本質の理解ができるし、あらゆる角度からアプローチして初めて成功するものだ。
わたしは、違う価値観を持った人を尊重するし、尊重されたい。
全てに完璧なひとなどいないのだから。
許しあって助け合って、生きていこう。
というわけで今回は、掃除が嫌いな月猫を、自分で正当化してみる回でした。笑