たくさんのもしもを月曜に捨てる (川柳19句)
たくさんのもしもを月曜に捨てる
みな出口間違え平成が終わる
愛人を鯖と鰯の間に置いて
按摩屋の女房の乳を起点とす
恋人のエメリウム光線眺める日
満員の電車寝ているのがちくわ
柘榴酒が無くてチグリスまで歩く
糸電話サイレン(と)からサイレン(す)
わがままな男にかけるモッツァレラ
くじ運のいい左手は使わない
雨音が遁走曲のように降り
鯖缶も開け理科室を覗き込む
この先は鳥のリズムでいくところ
あるじなき花壇に赤い花紅い花
発情期なのでミサイルぶっばなす
新しいスマホに自己紹介をする
友だちができた たこ焼き器を買った
白状するとモスラを食ったことがある
踊り場で紋白蝶になる手帖