石鹸を持ってよごれを探してる(川柳15句)

石鹸を持ってよごれを探してる

林檎焼く日記に書いてあるように    

真冬日の乳首におーいお茶あてる

帰省するたびに猫語を忘れてる

なんとなく謝りすぎた絹どうふ

ボリューム落とし星のすやすやを聞く

末っ子のまま喪主ばかりやっている

初夢のモザイクなしの穴ふたつ

順番を間違え海のない出口

なつかしい方へ傾く線グラフ

しあわせを色鉛筆で描けた頃

十二月ばれない嘘を思い出す

地吹雪よ運命線のない犬よ

みな帰りレコードジャケツ見て過ごす

肝心なときマスクして来る男


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