馬鹿だった頃のト書きが落ちている (川柳15句)

馬鹿だった頃のト書きが落ちている

冬の雨ばれぬくらいの嘘をつく  

ふるさとは閉店セール繰り返す  

千切り絵の中の雪夜に風邪をひく

さよならをふたつ余して夜になる

目次だけ読み多数決する未来

空箱が当たって空箱をもらう

目隠しを解かれてじいさんのなかま

欠員がでて白犀を呼びにいく

空腹のまま十字路で蟹になる

ペンギンも顔と名前が一致せず

前列の方は裸足でいいという  

鍵を開け予定時刻を待っている

抜け殻を見せ合う五合目のあたり

結論を急ごうバスはもう来ない
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