毒

1、17歳

高校2年生、初恋。
同じクラスの田島くん。
両思いだよ、って噂されてて、
告白してくれるのを待ってたけど中々話しかけてくれないから私から告白した。一番幸せな瞬間だった。
でも田島くんは部活ばっかりで一緒に帰ってもくれないし、連絡もくれない。

何か違う。

しばらくして田島くんは学校に来なくなってしまった。転校してしまったのかな。彼女の私に何も言わずに。せめて、一言くらい言って欲しかったなぁ。

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2、20歳

田島くんとお別れしてからは恋人は作ってなかったんだけど、大学生になって新しい恋をした。
同じ学部の吉川くん。
同じ学年だけど一個年上だからなんか大人の余裕？があってすごくかっこいいと感じた。
そりゃ簡単に落ちちゃうよね（笑）
でも吉川くんはすぐホテルに行きたがった。

何か違う。

それからまもなく吉川くんは大学を辞めてしまった。実家の家業を手伝う、とか、そんなところだろう。
私も別れようか悩んでたしこれで良かったのかな？

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3、22歳

社会人一年目。高校も大学もそこそこいいところに行っていたので、入社した会社も大手だった。楽しいことより辛いことの方が多いがやりがいは感じれてるのだから、いい方なのだろう。
３つ上の江藤さん、女性社員から人気の優しくて仕事もできる、しかも顔もカッコいいthe・エリート。引っ込み思案な私にもとても優しい。私は江藤さんに告白した。
すごく嬉しいと言ってくれた。でも、江藤さんは他の女の子に優しくするのを辞めない。

何か違う。

秋に海外への転勤の話が会社に来ていた。誰も行きたがらなかったのだが江藤さんは立候補してその後すぐ日本を発った。何も連絡を取れないまま自然消滅してしまった。

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4、27歳

色々あって会社を辞めた。あそこは私には合わなかったのだ。アラサー、無職、彼氏なし。笑えない。
バイトでも始めようかと近くのコンビニに行く。一目でこの人だと思った。顔立ちのハッキリした、少しやる気のない店員さん、高橋さん。私はすぐに面接の応募をした。高橋さんと同じ時間にシフトに入れるように調節して、私たちはすぐに仲良くなった。付き合い始めて1ヶ月が経った頃、高橋くんの浮気が発覚した。

何か違う。

それから、高橋くんは私と同じ時間にシフトに入ってくれなくなった。それだけではない、そのままやめてしまった。一回の浮気も許せなかった私が悪いのだろうか？

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5、28歳

長谷川恵。極刑を言い渡され刑務所にいる。1人目は田島くん。2人目は吉川くん。3人目は江藤さんで4人目は高橋くん。弁護士さんとお医者さんに何度も言われた。
あなたは誰とも付き合ってないし、あなたが4人を殺したんですよ。

何か違う。

何を言ってるのかよく分からなかった。

ところで弁護士の山内さん、4個上の独身、エリート、私の好み。

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MoonCalmと申します．

"恋"というものに狂った1人の女性を書きました．
好きってなんだと思いますか？
僕は、好きっていうのはエゴだと思います．
好きと思ってもらいたいから好きと伝えるのです．

母から教えてもらった言葉があります．

花が好きというなら、ただ花を摘むでしょう.
しかし花を愛しているのなら、お世話をして、毎日水をやるでしょう.

確か、ブッダの言葉だったような？
僕はこの話を聞いたとき、とても納得したのを覚えています．
恋をするのは簡単です．だが、人を愛するのはとても難しいのでしょう．それが、好きであればあるほど歪んでしまうものなのです．
人間とは罪深い生き物ですね．

さて、また新しい話を考えるとします．
僕は夜行性なので夜になると脳がたくさん働くのです．星が見える時間になるまで猫を愛でることにします．
どうぞよしなに．

ではまたどこかで．