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スライサー ideaMakerの詳細設定(速度編)
3Dプリンターのスライサー ideaMakerを使いこなす為に必要な詳細設定の解説(速度編)になります。
速度の項目では造形品質と出力時間を左右する速度について設定する事になります。
導入方法や他の項目についても説明していますので、他の項目について知りたい方はマニュアルをご参照ください。
速度
造形速度:造形時の基本速度設定。
詳細な速度設定を行わない部分はこの速度で造形が行われる。
3Dプリンターの機種にもよるが30~60mm/sぐらいにする場合が多い。
内壁の造形速度:内壁造形時の速度設定。
造形速度を速めに設定している場合は、造形速度よりも遅くした方が外観が良くなる。
造形速度を遅めに設定している場合は、吐出を安定させるために造形速度と同じにしておくのが無難。
外壁の造形速度:外壁造形時の速度設定。
外観に直接影響するので遅めにした方が綺麗になる。
造形速度を早くしている場合は、造形速度>内壁>外壁と段階的に速度を落として行くと良い。
造形速度が遅めの場合は、吐出を安定させるために造形速度=内壁=外壁と速度を同じにしておくのが無難。
最初の層(底面)の設定
1層目の造形速度:1層目の造形速度設定。
1層目は定着力を高める為に遅めに設定した方が良い。
10~25mm/sぐらいが目安。
充填
充填速度:充填部分を造形する時の速度設定。
外観への影響は少ないので必要に応じて速度を変更する。
ソリッドフィル
底面のソリッドフィル充填速度:底面のソリッドフィルレイヤーの速度設定。
モデルの形状によってはソリッドフィルの充填に時間が掛かるので必要に応じて変更する。
上面のソリッドフィル充填速度:上面のソリッドフィルレイヤーの速度設定。
モデルの形状によってはソリッドフィルの充填に時間が掛かるので必要に応じて変更する。
上面表面層のソリッドフィル充填速度:上面表面層のソリッドフィルレイヤーの速度設定。
外観になる部分なので遅めに設定しておくと綺麗になる。
底面表面層のソリッドフィル充填速度:底面表面層のソリッドフィルレイヤーの速度設定。
外観になる部分なので遅めに設定しておくと綺麗になる。
トラベル
X/Y軸移動速度:X/Y軸の移動速度設定。
X/Y軸の移動速度を速くする事でノズルからの垂れを減らすことが出来る。
プラットフォームが前後に動くタイプの3Dプリンターの場合、速くし過ぎると脱調するので注意。
Z軸移動速度:Z軸の移動速度設定。
Z軸が大きく動く場面は殆どないので速くしても出力時間の短縮効果は少ない。
遅めに設定して積層の乱れを少なくする。
サポート
サポートの造形速度:サポートの造形速度設定。
壊れにくい形状のサポートであれば速度を上げても平気。
ソリッドフィルレイヤーの造形速度:サポートのソリッドフィルレイヤーの速度設定。
大きな平面を支えるサポートの場合はソリッドフィルレイヤーの充填に時間が掛かるので必要に応じて変更する。
高密度サポートの造形速度:高密度サポートの造形速度設定。
モデルと接する部分なので速度を遅めして荒れないようにする。
外壁造形速度と同じぐらいにしておくのが無難。
薄い壁
薄い壁の造形速度:薄い壁の造形速度設定。
薄い壁は造形の乱れが目立ってしまうので遅めに設定する。
ギャップを埋める
ギャップ充填速度:ソリッドフィルの隙間を埋める時の速度設定。
速くし過ぎるとソリッドフィル部分を捲ってしまう可能性がある。
ソリッドフィルレイヤーの造形速度を同じぐらいにしておくのが無難。
シングル押出充填速度:単一のラインで隙間を埋める時の速度設定。
速くし過ぎると周辺を捲ってしまう可能性がある。
ギャップ充填速度と同じぐらいにしておくのが無難。
ブリッジ構造
ブリッジング速度:ブリッジ構造になる部分の速度設定。
冷却能力やフィラメントに大きく依存するので注意。
ブリッジングの壁の造形速度:ブリッジ構造の壁になる部分の速度設定。
その他タブにある「ブリッジ設定をシェルに適用」をONにしている場合に反映される。
オーバーハングシェル
オーバーハングシェルの造形速度:オーバーハング部分のシェルの造形速度設定。
その他タブにある「オーバーハングシェルの検出」をONにしている場合に反映される。
(設定する場合は低速にした方が良い)
その他
最初の数層の造形速度を下げる:最初の数層を遅くする設定。
定着力を高めるために2層目以降も速度を遅くしたい場合に設定する。
(0を入力すれば無効になる)
まとめ
3Dプリンターに慣れていない場合は、項目ごとの速度差を少なくしておくと失敗が減ると思います。
(例:速度・充填・ソリッドフィル・サポート項目の速度を全て同じにする)
以上でideaMakerの詳細設定(速度編)の項目説明は終わりです。
必要に応じて追記したり修正したりしていく予定です。
この項目は「こんな考え方で使うといいよ!」とか「ここ間違ってるぞ!」みたいなコメントは知識を共有するために大事なので何かありましたらご指摘をお願いいたします。
ideaMakerの使い方や応用方法に関する説明記事は下記のマガジンに随時追加していく予定です。
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