見出し画像

スライサー ideaMakerの詳細設定(充填編)

3Dプリンターのスライサー ideaMakerを使いこなす為に必要な詳細設定の解説(充填編)になります。
他のスライサーではインフィルと表記されている事が多い部分の設定になります。

導入方法や他の項目についても説明していますので、他の項目について知りたい方はマニュアルをご参照ください。

充填

充填用エクストルーダー:充填部分で利用するエクストルーダーの設定。
デュアルエクストルーダー機種の場合、充填部分をどちらのフィラメントで埋めるかを指定する。
シングルエクストルーダーの場合は固定。

充填率:充填密度の設定。
充填率を増やすことで強度を高める事が出来る。
造形物の形状によってはシェル数を増やした方が効果が高い場合もある。

000-1 - コピー - コピー

重複充填率:充填部分とシェルをどの程度まで重複させるかの設定。
100%にすると矢印で示した部分のように完全に重ねて造形する。
重複充填率を増やす事でシェルとの結合する範囲が増えて強度が増す。
シェル数が少ない(壁が薄い)場合、造形物の表面が乱れる。

充填流量:充填範囲の流量設定。
充填範囲のみ流量を増やしたい場合に設定する。

充填形状:充填の形状を8パターンから選択。
出力する造形物の目的によって最適なパターンを選択する。
明確な目的が無い場合は、格子状・三角形・ジャイロイドのどれかを選んでおくのが無難。
(充填パターンの特徴を説明していくと長くなるので別記事を作成予定)

100%同心円状の塗りつぶしの隙間を埋める:充填形状が同心円の時に選択可能。
充填率100%の場合に同心円間の隙間を埋める設定。
充填形状によっては100%にしても隙間が出来るので中身をしっかり埋めたい場合に使用する。

000-1 - コピー

充填のエンドポイントを接続する:充填形状が格子状・三角形・立方体・線状の時に選択可能。
赤丸で囲った部分のように、最後の部分が接続される。

高密度サポートの充填形状が格子状の場合(充填率が25%以上の場合):充填形状が格子状の時に選択可能。
充填率が25%以上の場合、格子状よりも線上を選択した方が密度が高くなる為、自動で充填形状を線状に変更してスライスしてくれる機能。
線上にしたいのであれば最初から線上を選択すればいいのであんまり意味はない。

充填時の押出幅:充填部分の押出幅を変更する設定。
充填部分を太くして強度を上げたいなら変更する。

充填オフセットX:充填の中心点をX軸方向にどれだけ動かすかの設定。
大きい数値を設定するとインフィルに空白部分が生じるので注意。

充填オフセットY:充填の中心点をY軸方向にどれだけ動かすかの設定。
大きい数値を設定するとインフィルに空白部分が生じるので注意。

充填レイヤーの結合:充填を複数レイヤー分まとめて造形するかどうかの設定。
2以上の数値にすると複数レイヤー分をまとめて造形するので時間の短縮になる。
設定する場合はレイヤー高さとノズル径と相談して決める。

インフィルアウトラインシェル:充填形状にアウトラインを加える設定。
アウトラインが増える事で強度が増す。

ボーダーの隙間を埋める:充填アウトラインシェルの隙間を埋める設定。
ONにする事で影響の出るモデルに遭遇したことがないのでONにしている。
ONとOFFで差が出るモデルを見つけたら検証します。

充填率が100%の場合、ソリッドフィルとして造形されます:充填率100%の場合にのみ反映される設定。
OFFの場合、充填率が100%であっても充填形状にあわせた隙間が出来る。

適応充填

上面に近づくにつれて充填率を自動で変更する機能。
(ideaMakerでは密度の高い上の層を基準にしていて、下にいくにつれて密度が薄くなるという考え方で説明がされている。)
この機能をONにしている場合、充填率は「適応充填の密度範囲の設定」が優先されるので注意。

適応充填率変更回数:充填構造の密度を最大で何回変更するかの設定。
多い数値を設定してもその回数変化するとは限らないので注意。
(適応充填を何回適用するかはideaMakerが自動で判断する。)

適応充填の密度範囲:充填率を最大で何%~何%へ変化させるかの設定。
最大値が使われるとは限らないので注意。
(何%の充填率を使用するかはideaMakerが自動で判断する。)

適応充填の各層数:充填率が変化した層を何層造形するかの設定。
小さすぎる値を設定すると崩れるので注意。

適応充填内部水平延長長さ:XY方向に展開して狭い充填構造を回避する設定。
この設定が反映されるかどうかはideaMakerが自動で判断する。

適応充填の最小幅:適応充填が適用される幅の設定。
この数値より狭い範囲では適応充填が適用されなくなる。

充填角度

角度:充填形状を造形する角度の設定。
充填形状を特定の角度にしたい場合に設定する。
(ジャイロイド・同心円の場合は設定しても無効)

まとめ

3Dプリンターに慣れないうちは充填率と充填形状の項目を変更するだけで十分だと思います。
適応充填は簡単な形状では問題ないですが、複雑な形状の場合はOFFにしておいた方が失敗が減ります。

以上でideaMakerの詳細設定(充填編)の項目説明は終わりです。
必要に応じて追記したり修正したりしていく予定です。
この項目は「こんな考え方で使うといいよ!」とか「ここ間違ってるぞ!」みたいなコメントは知識を共有するために大事なので何かありましたらご指摘をお願いいたします。

ideaMakerの使い方や応用方法に関する説明記事は下記のマガジンに随時追加していく予定です。


サポートして頂けたら欲しいものリストにあるフィラメント等を購入して色々な検証記事を書いていく予定です。 https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/3RKZOFBZP9FWU?ref_=wl_share