【詩】ジレンマ

二つの道が目の前に広がる
光と影が絡み合う迷路
選ぶべきはどちらか？と問う声色
けれど答えは濃霧の中

欲望の炎が胸を焦がし
理性の水がそれを冷ます
愛するゆえに傷つけ
守るゆえに壊してしまう

自由を求め　絆に縛られ
孤独を恐れ　群れに迷う
手を伸ばせば届くものも
深く失う何かがある

正しさとは何かを叫び
正しさゆえに人を裁く
罪を許せと願いながら
自分を許せぬ夜もある
それでも歩みを止められない
それが私たちである証
ジレンマという名の暴風の中
生きるという名の大雨の中
揺れながら進む影と光
道の終わりに何があるのか
知ることは決して叶わない
だがそれが人生の詩ならば
ジレンマさえも美しい音色