企業の中で人が育つ仕組み・・・
今までは企業を語るとき、人・モノ・金は外せなかった。
どうやって人を集める?どんな商品を作る?売るか? 利益をどうやって出すのか? 資産価値は? そういうことは経営者は毎日のように考えてきました。
これらがうまく回れば企業価値も上がってきたから。
それが最近は「人を育てる」と言う事に気が付き始めた企業が増えてきていませんか? 人的資産というものが注目され始めていますよね。
令和になって、新しい文化や技術革新が続く中、それらを生み出し続けるのは人だと言う事に改めて気づき始めたのでしょう。
これからの企業は人(個人)の能力やアイデアを企業に活かさなければよいものは作れないし、生活者に指示されるものができないことを十分わかっていますから。それを無視し従来の経営に固執すれば生き残れない時代になってきています。
そして個人も生きていくためには、学ぶことやスキルアップの必要性を感じ始めています。周りを見れば、そういう再教育機関があふれています。
今までは、社員の能力開発やを企業内教育などの社員教育環境を作ることは、福利厚生とかのような経費の一部、コストととらえてきてますが、これからは企業の将来を考えたときの投資という捉え方をする時代なのかもしれません。
確かに、個人の力だけに投資するというのはリスクも伴う。力をつければ独立という選択も出てくるかもしれません。独立?結構じゃないですか?独立後もその力が必要なら、共に成長しながら商品開発すればよいだけです。でも大概は一人では仕事はできないものです。そこにいたから力が発揮できたのです。それは誰もが知っている。そこにいるチームが個の力を発揮して相乗効果を生んでいるいるのです。
企業はこうした個人の力を育てる場と強いチームをつくるための環境つくりが必要なのだと思う。
最近私が関わらせていただいている企業さんですが、創業当時はなかなか人が集まらない、すぐやめてしまうという状況の中、誰もが通る創業の苦しみを味わった後に、あることに気が付いたそうです。
「そうだ、何が働くことを邪魔しているのか?勤務時間?勤務体制?休暇制度?評価?等、聞いてみよう」と。
そして、徹底的に従業員の働きやすい職場にするにはどうしたらしたらいいのか? まず、従業員の声を聞く、そして現場での声から生まれた働く仕組みや制度を一つ一つ丁寧に変えていったら、3年で売り上げが5倍になったということです。働き方改革の成功事例ですね。
要するに従業員さんが働くことに満足し、そこで働くことにやりがいや目標が持てたことで継続勤務者が増え、お客様の対応にきめ細やかさが生まれ、人間関係までもスムーズになったというのです。
すごく地味な取り組みに見えるのですが、これからの企業の在り方を示しているような気がしてなりません。
企業は本当の意味で「人の幸福を作ることができるかどうか」が問われる時代であるし、そこで働く一人ひとりも、働くことの意味を実感できるかどうか?なのではないでしょうか?強い個の集合体が強い企業を作っていくのではないかと思っています。