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コミュニティについて思うこと

 これからはコミュニティーの時代であると言われていますが、私なりにイロイロ思うことがあります。
実は10数年前に私は主婦のコミニュティを作っていました。
地方都市(高崎市を中心)で主婦だけの1万人くらいのコミュニティです。
もちろん、マーケティングという言葉もコミュニティという言葉も一般的には使われていない、要するにまだ市民権のない言葉でした。

だから、周りのだれもが、主婦を集めてそれがどういうビジネスにつながるのか?イメージできる人はほとんどいなかった時代です。

でも私は当時主婦でしたから、主婦の力のすごさを一番わかっていました。
家庭の中でも町の中でも、商品の購入権を持つのは主婦でした。
その上、そのころから高学歴主婦が増え始め、自分の居場所を家庭以外に探す主婦たちがあふれていたことも私の体験から確信していました。

当時、広告の仕事をしていた私は今までの広告では物が売れない。これからはどういう方向なのか?模索していた大衆から個人へと移り替わる過渡期でもあり、モノが売れる仕組みを探していた時でもありました。

主婦に登録してもらって、主婦からアンケートや意見がとれるサイトを作ることから始めました。

「あなたの空いている時間にお仕事できます!」今なら実に怪しいキャッチフレーズですけど、
サイトオープンしたところ、1か月で3000名の登録者を獲得しました。

アンケートに答えてもらったり、企業が主催するモニターに参加してもらってポイントを出す仕組みです。ポイントはもちろん換金します。

そのサイトやリアルな交流の場で、生活者と企業をつなぎ、企業の販促につなげたり、主婦の家庭外での活躍の場を提供&お小遣い稼ぎに貢献したりで、模索しながらも新しいマーケティングの実践の場になりました。

そこでの成功や失敗はあとでまとめて報告する機会を作りたいと思いますが、今回はそういうことを経験した私から見て、今、注目されている
「これからはコミュニティ時代だ」に対してしてふと思うことを書かせてもらいます。

そもそもなぜコミュニティーの時代だといわれるのか?

今の日本経済は成熟されて、ある意味限界が見え隠れしていますよね。
少子高齢化も進み、明らかに今までとは違う経済活動になっていくことは間違いありません。
会社に所属していても、一生会社がその人の人生を保証してくれるわけでもなく。
必然的に個人が個人の力で生きる事を余儀なくされます。
しかし、世の中が貧困になっているわけでなく、豊かな社会の中で育った若者たちは、自己実現欲も高くなっています。その点、一昔前の主婦と似ていますが・・・

今の人達は、どんな仕事をするかという前に、「何のために生きるのか?」と考える人たちが増えてきているのは確かですね。
夢を持ちそれに向かって生きていきたいけれど、なかなかカタチにならない。セミナーに通って知識欲を高める人たちも増えています。
が、自分が思っているようにはうまくいかない。右往左往もがいている人は少なくないでしょう。

そういう時代背景にはコミュニティはぴったりはまるのです。
昔は主婦の自己実現、今は若者の自己実現。同じ悩みや目標を持つ人たちとのネットワーク参加が、何かを打開するように見えるわけです。。
みんなで「ビジネスしよう」「社会貢献しよう」「いい世の中にしよう」
「コミュニティーを作って、みんなの力を集めれば、すごいことができるぞっ」ってね。

実はそこには大きな落とし穴があって、本当のコミュニティー力の理解が足りてない人たちほど、そこに群がってきてしまうのです。
コミュニティは同じ思考や環境を持つ人たちにとって集まりやすい場所です。

「一人じゃ無理だけど、仲間が集まればできるよ!みんなの力を合わせよう!」と、声がかかります。
「そうか、そうだよな、みんな一緒なら面白い」
と、ついそう思ってしまうのかもしれません。

でも、昔私が作った主婦のコミュニティとは大きく違い、今は世の中も進化しています。
コミュニティなどなかった時代の主婦コミニュティと現代のコミニュティとは性質が違います。
今のコミニュティは様々な属性によって、目的も活用も多岐にわたっていますから、その中で自分のコミュニティを作るのは意外に量力と時間がかかります。

特にここで私が注目しているのは、フリーランスや個人技業主たちのコミニュティなのですが、多くの人が勘違いしていることを見受けることがあるからです。

よくあるのは、立場や目的が似たような属性の人たちのコミュニティに参加して、仲間作りをしているだけで安心していることです。セミナーに参加してわかったような気になってしまうことに似てるのかな。


本来のコミュニティはそこから生産活動が生まれなければなりません。
生産活動からそれを販売し流通させていく活動が伴わねばなりません。

そこを構築する人、あるいはできる人がいないために、仲間作りはできたけどそこで止まっている状態が多いことにあります。

一人ではできない。ならば仲間とやろう。そこまではOK.
そこから必要なのは、仲間の持っている力を最大限引き出し、目的のために活用させていくプロデュース力です。
そこを理解している人が本当に少ないのです。

それは、仲間がいるからできるのではないと言うことをちゃんと自覚すること。
やるのはあくまでも自分であって、コミニュティの仲間たち100人集まればできるのではないこと。コミュニティという言葉に寄りかかって何となく満足しちゃっている人。

自分でやりたいことを持っている人は、
一人でもやります。
一人でもやるんだって思えることでなければ、何人いたって同じこと。

そういう自分の足で立つ人がこれからは生き残るのだと思います。
いや、そのことは昔も今もこれからも変わらないのでしょうけど。

本当の意味でコミュニティの時代ということを理解して欲しいし、
個人が磨かれるコミュニティで力を発揮してほしいと思います。
ちゃんと自分の足で立ち、自分ブランドを誇りに持つ人達が集まってこそ本当のコミュ二ティが生かされるのです。それが大きな力となって社会を動かしていくことになるのだと私は思います。



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