新しい靴 vs 忍耐
先週の水曜日、ふらりと靴屋に立ち寄った。
元々会社用に履くパンプスが欲しくてGW中に行こうと考えていたのだが、私の足は気紛れらしい。用事を済ませたその足で、引き寄せられるように踏み込んだその靴屋は、もうすっかり夏であった。
春物の華やかなパンプスは奥のコーナーにぎゅうぎゅうおしくらまんじゅう。
麦わら帽子が似合うミュールから涼しげなオープントゥパンプス、それから近頃流行りの、私にはいまいち良さが分からない水遊びをする時に履くようなサンダルが堂々と佇んでいた。
そんな店内の一角にあったセールコーナー(と言っても500円引き程度ではあるが)で、吸い寄せられるように目が合った。
一目惚れだった。
トゥ(先端)部分はキラキラと光を反射していて爽やかな印象を抱かせる、私の好みドンピシャのお靴様である。
サムネイルにもなっているそのお靴様(本日出社前に玄関で撮ったものである)と運命を感じた私は即購入。そしてデビューに至るわけだ。
が。
少し痛い。どこがって、踵が。
新しいお靴様を買う度、いつだってこうだ。私の踵の皮膚が薄いのか、いつも靴擦れを起こしてしまう。予防に絆創膏を重ねても、いつの間にか絆創膏はどこかへ行ってしまい、戦線を放棄してしまうのだ。
ふと、大学時代のある日のことを思い出した。
4月初めの、ちょうど2年前か。新入生の女の子二人が目の端に写った。流れゆく人々の中、駅構内で立ち竦んでいる不自然な二人に注視したのは必然だった。
何事かと首を傾げ、ハッと気づいた。
一人の女の子の踵が真っ赤に染まっていた。新入生だと断定したのは、スーツ姿だったから。慣れていないのだろう真新しい黒々としたパンプスを引っ掛けた彼女は、痛みからどうにも動けないようだった。
ところで、私は先述したように皮膚が薄く、よく靴擦れになる。時々盛大にすっ転ぶこともついでに追記しておく。
まあ、つまるところ、私の財布には絆創膏が常備されているということだ。(ちなみにストッキングも気付くと破れているので鞄に予備を突っ込んでいる。おそらく日用品の中で一番買う頻度が高い。)
痛くて立てない女の子に絆創膏を手渡し、急いで薬局に行きガーゼと消毒液を買った。ガーゼを買うなら絆創膏は要らないだろう、と後から気付いたが。
彼女はなんとか立てるようになり、お礼を言われるのもそこそこに私はその場を去った。うん、懐かしい。
変わる季節、変わる気温、変わる気分、変わる服装、変わる靴、変わる環境。
皆様も新しいものに気をとられて血塗れにならぬよう、十分にお気をつけて。
あ、私のことか。イタタ。。
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