冬の寒さに負けないように
夏は暑い。エアコンがついてないから。
秋は嵐。食べ物も、趣味も、と大忙し。
冬は寒い。毛布が薄くて末端から冷える。
春はあけぼの。麗らかな空に新しい季節が舞っている。
春の日差しはとてもたおやかで明るい。黄色の光は色とりどりの花に降り注ぐ。桜は散りゆく、新芽を迎えて。私はきっと、いつかのずっとそんな空間で待っていたい、あなたを。誰かを。きっとそんな時は来ないけど夢想するんだ。2月の深夜。
夏はいつも流動的で、まるで流れる汗のように、拭き取られたら忘れてしまう。それもこれも暑さのせいだ。室内でエアコンガンガンに効かせて、それなのに家中の窓を開けて、なんなら扇風機も送風強にして(笑)、そしたら風鈴なんてもちろんつけるじゃん。贅沢だよねってせせら笑いながら猫とApple musicに昼寝するのが夢になった真冬の夜更け。
秋はいつも忙しない。食に読書にスポーツに、全部やりたくて頭の中がぱんぱんになる季節。
外は嵐。明日は休日。何をしようかな。時間は持て余してただ下らない幸せを願う西陽の中。そんな暮らしを考える冬の深夜。
冬はとても寒くて動けない。こたつから、手足を沢山伸ばして、みかん取って、リモコン取って、イベントたくさん。こたつの中からあけおめ迎えて、猫とのんびり温い正月。窓の結露に手を冷やして、朝日を霞む目で捉える。いつまでも続きますように、と願った。外に初雪。刺すような寒気にカイロをポケットでじんじんと携えて、足を滑らせないよう気を遣いながら、師走も過ぎて路肩を走る。初雪だけは寒さに勝る。夏の蜃気楼も好きだけど揺れ落ちる雪も捨て難い。そう思った2月の室内で。