【つながる旅行記#204】平家谷そうめん流しと不入の山(そしてダム)
前回は平家谷公園レクレーション広場に到着し、平家谷がなんなのかについて語った。
日本各地にあるという平家谷だが、八幡浜のものはどんな感じなのだろうか。
早速探索していこう。
しかし凄い苔だ。
人類がいなくなった場所に一人で訪れているような感覚すらある。
と、すぐに目の前に建物群が現れ始めた。
これが『平家谷そうめん流し』のあれこれなのだろう。
(しかしなんでこんな場所でそうめん流しを……?)
シーズンオフなので、完全にあらゆるものが機能停止している。
現役の施設に対してちょっと失礼だが、廃墟探索感があって楽しい。
漬物は「つわ」と「はやとうり」という謎のラインナップ。
なんだそれは……?
謎すぎて漬物を食べない自分でも500円払っちゃいそうである。
しかし一体どんな食材なんだろう。
検索検索……
(画像を見ても全く馴染みがなかった)
そうめんゾーンを過ぎると、階段を発見。
先に進んでみよう。
階段の真ん中を木が突き抜けているという斬新なスタイル。
こんな階段初めてかもしれない。
ここは平家谷自然林。
この辺りは天然記念物で伐採が禁じられており、当時の自然林を残しているようだ。
今の自分は当時の落人と同じような景色を見ているのかも……?
この八幡浜の平家谷では、壇ノ浦の戦いで落ち延びた残党が8名で畑を開いて暮らしていたという。
彼らは日々見張りをしながら隠れ住んでいたが、あるとき「源氏の追っ手がきた」という見張りの情報を聞き、捕まるくらいならと6名が自害。
そして2名は平氏の血を残してほしいということで生き残り、集落の祖となったという。
うーむ、なかなかすごい話だ……。
(ちなみに生き残ったのはどちらも男である)
この静かな場所でそんな壮絶なことが起こっていたとは。
なお、見張りが「源氏が来た!」と思ったきっかけは、白鷺の群れを源氏の白い旗と見間違えたから……なんて話がある。
そしてこの由来によって、大正10年以前は源氏の白い旗への忌避感から平家谷では白いものを身につけることはできず、正月の白餅すらNGで赤飯にしたという。
もちろん今は平家谷で白いものを身に着けてもOKだし、そもそもそうめんなんてもう見事に真っ白である。
というか、結局なんでこんなところでそうめん流ししてるんだろう……?
まあ単純に、「山の水が綺麗だしそうめん流しとくか!」みたいな感じなのかもしれない。
歩いていたらダム?が見えてきた。
そして相変わらず人がいなくてとても楽しい。
この空間を独り占めだ。
しかし自然から一気に人工物の世界になったな。
でもこの平家谷の水が保内町へ流れているんだなと思うと、水源を辿る楽しさに目覚めそうだ。
当初の予定とは全然違ったが、あれこれ知識を得るきっかけにもなったし、平家谷を目指して結果的によかったな。
……さて、なんだか成し遂げた感を出しているが、実はまだ13時である。
まだまだ時間はある。
せっかくの1日借りたレンタサイクルをもう少し使い倒したいところだ。
この際、北を目指してみようか。
そうすれば伊予灘が見られる。
そんなわけで、今日はもう少し自転車を走らせることにする。
まあ登ったらあとは下るだけなのでさほど問題はないだろう。
相変わらず休みなのに体をボロボロにしてるなあと思いつつ、
次回へ続く……!
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